ブラック企業とホワイト企業、両方を経験した私が伝える、その違い

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どうも、まるすけです。

私は工場で働いている時、いわゆる「ブラック企業」に在籍し
今の障がい者福祉の世界ではありがたい事に「ホワイト企業」に在籍しています。

最近よく思うのですが、両方を経験した「今」だからこそ感じる事ってたくさんあるんです。

今回は、そんな私の経験談を中心に、「ブラック企業」と「ホワイト企業」の違いをお伝えしていきたいと思います。

「今」仕事で悩んでいる人が、何かを考えるきっかけになれば幸いです。

勤務時間

【ブラック企業】

一応、規定上は9:00~18:00。

ところが入社初日から、とても定時で帰れる雰囲気じゃない…。
17:50になっても工場内の機械はすべて稼働し、誰も片付けを始めません。

当時の工場長に
「初日だし、そろそろあがって」
と言われたのは20:00でした。

そこで工場長は何時に帰る予定なのか聞いてみると
「終わらないから徹夜だよ、よくある事だし、みんな2週間休みなしでやってるよ」
と誇らしげな表情で言われました。

私が工場長になってからも、なかなかこの体質は変えられず
・出勤したら次に帰るのは2日後
・早朝4時に車で30分かけて家に帰り、30分~1時間寝て、シャワー浴びて朝7:00には出勤
・夜中1:00に会社の駐車場の自家用車内で仮眠中、社長から電話で起こされて見積書作成
という事がよくありました。

実際、徹夜続きで身体を壊して退職した人や、寝不足で加工機で大けがをした人を何人か目にしました。

私が改善できた点としては、全員が週に1日休みを取れるようにした事。
それでも一般企業に比べれば異次元の話かもしれませんが、若い従業員は喜んでいました。

【ホワイト企業】

規定では8:45~17:30。

その規定通り、職員は8:40頃に出社します。

入社初日に
「せめて15分前出勤は当然だろう」
と思い、初日という事もあり20分前の8:25に出社。

でも、待てど暮らせど誰も来ない…(-_-;)

8:40に来た職員から
「早すぎるよ~(笑)」
と言われたのは衝撃的でした。

全体的に「早く終わらせて帰ろう!」という雰囲気です。

風邪をひいた時や体調不良の時

【ブラック企業】

38.0℃以上出て、やっと体調不良と認めてくれます。

1回、37.4℃の発熱があった部下が休もうと電話してきた時は
「休めるかどうかは俺が見て判断する」
と社長から言われ、結局フラフラになりながら働いていました。

私の経験談としては、ある日、朝から何となく熱っぽい感じがした日がありました。
その日は加工品を東京の取引先へ直接納品に行く予定でした。

念のため熱を測ると37.6℃…。

「(この体温じゃ)言えないな」
と判断した私はそのまま加工品を車に載せて出発。

途中、川崎あたりで頭がボーッとし、めまいがして視界がグラグラし始めました。

それでも何とか納品を済ませ、工場に戻って熱を計測したら39.0℃…。
さすがに帰らせてもらって病院に行ったらインフルエンザだった、という事がありました。

取引先も含め、誰にもうつらなかったから良かったものの、一歩間違えれば集団感染になるところでした。

【ホワイト企業】

コロナウィルスが出る前から、37.0℃以上の熱があった場合はすぐに休むよう指示が出ていました。

また、頭痛や腰痛、女性であれば生理痛といった症状でも遅刻や早退、欠勤の許可が出ます。

最初は驚きでしたよ。
「え?37.0℃で帰っちゃうの!?」
「ええ!?頭痛(もしくは腰痛)で早退!?」
って。

つい先日、私が虫歯の治療で詰め物が取れてしまった事を歯医者に電話していたら
「お昼で帰る?」
と言われたのですが、それはさすがに断りました(^-^;)

給与

【ブラック企業】

よく
「工場長なら給料良かったんじゃないの?」
と言われます。

確かに30代前半で、総額35万近くもらっていたので良かったとは思います。
給与明細の額面上では…。

というのも、この金額には「管理職手当」として20,000円が含まれていました。

「管理職なんだから当然なのでは?」
と思う方もいらっしゃると思いますが、実はこれには
「従業員のモチベーションアップのための手当」
という意味が含まれていました。

どういう事かというと
「部下をご飯に連れていくお金もそこから払ってね」
という事( ゚Д゚)

週1回ずつ、毎回違う部下を何人か連れて食事に行って、その都度払っていたわけです。
月に30,000円ぐらいかかっていたんじゃないでしょうか。
そうです、マイナスです(-_-;)

あと、何日も工場内に缶詰め状態なので、普通は昼食だけで済む食事代が朝食、夕食、夜食、と何倍もかかります。
1日に昼食代500円程度で済むはずが、大体2,000円。
月に換算すると約50,000円以上必要という事に…。

私はあまり物欲がないので、月のお小遣いは昼食用として10,000円もあれば十分なんです。
ところが当時の家計簿を見ると、私のお小遣いが80,000~90,000円(!)になっていました。

これじゃいくらもらっても手元にはあまり残らないですよね(^-^;)

ちなみに賞与は業績に応じて、なので、1年通じて0円という年もありました。

給与規定も、あるのかないのか退職するまで分かりませんでした。

【ホワイト企業】

入社前の説明で、しっかり細かく給与規定についての話があります。

そして、その通りに給与や賞与が支払われます。

交通費に関しても細かく規定が定められていて、働く側が1円でも損にならないようになっています。

例えば、私は最寄りの駅まで車で妻に送ってもらっています。
その経路もバスを使った事にして良いと言われ、バスの定期代分を支給してくれています。

残業に関しても、1分でも定時を過ぎたら残業代が発生。
法律で定められた通り1.25倍の残業代が1分単位で支給されます。
なので
「あまり残業をした記憶がないのに給与明細を見たら時間外手当が結構ついてた」
なんて事もよくあります。

有給休暇

【ブラック企業】

誰もその言葉を口にしません。
在籍中は有給というものがあるのかないのか分かりませんでした。

退職が決まった時に事務に確認したら有給が残っていたのですが
「迷惑かけるんだから引き継ぎに使え」
という事でほぼ使えませんでした。

【ホワイト企業】

入社してすぐ、初年度から有給休暇が発生。
せめて半年経過してからだろうと思っていたので驚きました。

しかもどんどん使うように促してきます。

そして上司もどんどん積極的に有給を消費してくれます。
こうなると全員が申請しやすいです。

また、1年間で40時間の時間有給というものも存在しています。
体調不良で1時間早退の時などは、この40時間のうち1時間を有給として処理する事ができます。

休日

【ブラック企業】

入社した最初の週は土日休みでしたが、1ヶ月もたたないうちに
「土日は休日出勤する」
という雰囲気を感じました。

1度やってしまうとそれが当たり前になるのは分かっていたので、土日両方出勤は頑なに断り
「土日どちらかは休日出勤する」
という事を続けていました。

ブラック企業によくある
・休日出勤は当たり前
・残業や休日出勤は美徳
という概念です。

まだ息子が保育園に通っていた頃だったので、週1日の休みで寂しい思いをさせたと思います。
私が家にいられない分、妻にも負担をかけてしまいました。

1度、休みの日に家族を連れてディズニーランドに行ったのですが、その最中にも何度も社長から電話がかかってきて心から楽しめなかったのを今でも鮮明に覚えています。

ちなみに年末年始のお休みは12/30~1/2の4日間でした。
祝日は出勤なので、年間の休日数はおそらく50日前後じゃないでしょうか。

【ホワイト企業】

カレンダー通り、土日祝日はお休みです。

地域のイベントに事業所として参加、という事で日曜日に出勤した場合は翌日の月曜日が代休となります。

あと基本的に、休日に会社の人から電話が来る事はまずありません。
もしあったとしても利用者さんに何かあった等の緊急時のみで、それでも
「休みの日にすいません…」
と言われます。

当たり前の事かもしれませんが、私にしてみたら最初はかなりビックリでした。

ちなみに年末年始は「土日を除いて6日間」の規定で、その通りになっています。
年間休日数は平均通り120日前後じゃないかと思います。

台風や悪天候の日

【ブラック企業】

台風や悪天候で休みにする、遅刻や早退をさせる、というのは1度もありませんでした。

朝は電車が遅延をすると予想して始発で来るか、前日から工場内に泊まるか。
(泊まるといっても、寝具がある訳じゃなく夜はパイプ椅子の上で座りながら寝ます)
帰りも天気が荒れているようなら落ち着くまで待機。

台風の日なのにちゃんと出勤している事が素晴らしい、という雰囲気でした。

【ホワイト企業】

あまりにも強い台風や悪天候が予報で出ている場合、前日の時点で翌日の休みが決定します。
通所する利用者さんの関係機関にもすべて連絡をします。

また、当日の夕方から天気が荒れるという予報の場合、早退を指示される事もあります。
反対に朝の通勤時間が荒れるという予報であれば、前日の時点で翌日の出勤時間を遅らせて調整します。

「今日は荒れる予報だから早めに帰ろう」
という言葉、今の企業ではよく聞きます。

いま、思う事

思い出してみても、工場で働いていた時は
「なかなかしんどい時期だったなぁ」
「よく無事だったなぁ」
と思います。

でも、その当時は一生懸命に仕事をして
「家族を養うため、社会人にとってはこれが当たり前だ」
と思っていました。

実はこの考え方が一番危ない!

そういう生活を何年か続けていくうち、私の身体にもいろいろと異変が…。

1つは、退職を決めるちょっと前の休日、弟家族のところに遊びに行く事があったんです。
何度も通っている高速道路なのに、気がついたら降りるインターチェンジを過ぎてしまいました。
しかもその後しばらく走った後に通過した事に気がついたんです。

もう1つ。
その当時に撮影した家族との写真では、私の表情にまったくと言っていいほど覇気が感じられない。
「死んだ魚のような目」という言葉がありますが、まさにその言葉がピッタリで今見ても生気が感じられません。

今思い返してみると、その当時の記憶はプツプツと切れていて、いまいち思い出せないんです…。

たまたまそのあとに退職する事になったのであのまま続けてたらどうなってたかは分かりませんが、正常な状態ではなかったと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

大事なのは「世の中にはこういう企業がある」というのを知る事だと思います。

何が言いたいかというと
「上を見たらキリがない」(もっとすごいホワイト企業があるかもしれない)
「下を見てもキリがない」(もっとひどいブラック企業があるかもしれない)
という事です。

自分の今の状況が幸せかどうかは、何を経験してきたかで変わると思います。

私はブラック企業を経験してからホワイト企業という流れだったので、今のありがたみがよく分かります。

ですが、今のホワイト企業に高校卒業してから20年近く在籍している上司は、これだけ恵まれていても文句を言っています。
それはこの状況が当たり前で、企業はこれが普通だと思っているから。

どちらが幸せなのかは分かりませんが、私は両方を経験して「運が良かった」と思っています。

人生は1度きりです。
この記事を読んで「今」仕事で悩んでいる人が、何かを考えるきっかけになれば幸いです。

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