脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【24】

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まるすけ(@marusukepapa)です。

2025年2月18日(火)の夜、一緒にテレビを観ていた妻が突然目の前で意識を失いました。

すぐに救急車で搬送され緊急手術。

術後、医師から告げられた病名は
『脳梗塞』
でした。

「45才の若さで…?」
「ウソだろ…?」

『脳底動脈先端閉塞症(のうていどうみゃくせんたんへいそくしょう)』
という脳梗塞全体の中でも1%という稀な場所での発症との事。
ネットの情報も極端に少なく、内容も悲観的なものばかり…。
頭がおかしくなりそうな日々でした。

医師からは
「意識の回復は見込めないでしょう」
とまで言われましたが、奇跡的に今は後遺症を残しながらも在宅復帰して生活しています。

そんな、情報の少ない脳底動脈先端閉塞症。

「今後もし同じような状況になった方が、少しでも参考にしてくれたら…」

そんな想いから、数回にわたり私が書き留めておいた記録を元に妻の闘病記を公開していきたいと思います。

※文章は記録の文体のまま記していきます。

過去の投稿はこちら

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7/14(月)

仕事後に面会。

病室に着くとみいの姿はなく、リハビリ予定表を確認すると15時から担当の作業療法士さんのリハビリが追加されていた。
2階のリハビリ室にいると思いエレベーターへ向かうと共有スペースからスタッフさんに声をかけられる。
振り向くと腕を支えられながら立って手を振っているみいを発見。
「すいません、急にリハ追加させてもらって。最近はこうやって歩く練習してるんですよ」
と報告を受ける。

介助されながら病室へ歩き出す。
右手を伸ばし、私の指を掴む。
左脇をスタッフさんが支え右手は私の指を掴んで歩く。
「パパの指は手すりじゃねーぞ」
と伝えるとスタッフさんと笑っていた。

病室に着いて横になったので、スタッフさんに4か月目のリハビリ計画書は出来ているかを確認。
完成しているとの事で、計画書を取りに一旦スタッフさんが退室。
みいに目をやると天井を見ながら
「パパじろー、すばらしい」
と拍手をしていた。

計画書を持ってスタッフさん再入室。
内容確認しサイン。

移動項目の階段が「実施困難」から「支持物使用し軽介助」に。
認知項目についてもコミュニケーション、社会的認知の面で全体的に点数が上がっていた。

コピーのためスタッフさん再退室。
「パパ、よく来たね、ブラボー」
と再び拍手をしていた。
待っている間にパパイラストを見せると伝える。

「昨日のスラムダンクは凝り過ぎたから今日はシンプルだよ」
と伝えイラストを手渡す。
「え?これでシンプルなの?ブラックジャックなんて激ムズだよ」
とイラストを理解し正解していた。

スタッフさん再入室し、自宅用にコピーをいただく。
退院後のみいの希望について確認。
「みいの希望は、毎日家だよーん」
「デイサービスとかは使わない?」
「うん」
「じゃあそれには日中1人で生活ができるようにならないとね」
「(口を尖らせ)でもさぁ、実家に居れば家事の必要なくね?」
「みいが生活するのは我が家だよ」
「あぁ、そっか」
「パパが仕事やめて、在宅ワークしながらつきっきりでみいの事見てるのはどう?」
「それはヤダー!悪いもん」
と、大きな声で言っていた。

明日ケアマネさんがいる事業所と面談してくる事、みいがどうしたいかもちゃんと話す事を伝えると
「木曜しか使えないの?」
と言う。
「んん?なんだ木曜って?」
と聞くと
「パぺ(←パパの事らしい)が木曜だけって言った」
と言う。
言ってないと伝える。

「昨日○君○ちゃん(弟夫婦)来たの覚えてる?」
と聞くと
「覚えてるよー。でもあれは夢なのか幻なのかって…心配に…ガクッ」
と気絶したフリをする。
記憶が曖昧なようだが、弟夫婦が来た事は確実に覚えているようだ。
「もうすぐご飯だから今日もしっかり食べるんだよ」
と伝え、お互い手を振って面会終了。

7/15(火)

仕事後に面会。

病室に着くと、看護師さんから起こされているところだった。
こちらに気づき
「あ、面会ですね。これからお口の体操をしようかと思ったのですが、どうします?今日はやめて面会にします?」
「そうですねー、面会にします」
と即答していた。
「サボれてラッキーとか思ってんでしょ」

「やだー、やめてよー」
と言い、看護師さんの笑いを誘っていた。

共有スペースで面会。
「パパー、嫌な事があったー。チックショー」
「小梅太夫みたい」
「そうそう、それイメージしてもらえればー、御の字です」
「怒ってた理由は?」
「アイツだよアイツ…えー…誰だ?誰…?」
「知らんがな」
「嫌な事があったけど思い出せん」
「思い出せないんならストレスなくていいじゃんか」
に笑顔を見せていた。

明日は会議で面会に来れない事を伝える。

退院後の生活について改めてみいの希望を確認。
昨日と変わらず家での生活を希望。
デイサービスに関しても変わらずで
「使わない」
との事。
家に1人で居る事については
「さびしいね。トイレが心配だね」
と言う。

今日ケアマネ候補と会って話を聞いてきた内容を伝える。
「ヘルパーさんが午前1回、午後1回それぞれ30分ぐらい来てくれてその時にトイレ見てもらうのはどう?」
「いいわねー」
「ヘルパーさんが家の中に入って来て、介助してくれる事についてはどう思うの?」
「いいねー!ここ離れられるなら…」
と、大きな声で言う。
「コラ!こんなに良くしてくれてるのにそんな言い方!」
「バカだよねー、バカすぎ晋作だよねー」
と反省の色なし。

今日のパパイラストを見せる。
「あ、怪物くん?かわいー」
と今回も即答していた。

「左手で文字を書く練習してみよっか」
と伝え、メモ帳に『パパ』と書く。
最初にしては上手に書けていたが本人は不満な様子。
左手で同じように書いて
「ほれパパだって左手じゃこんなもんだよ」
と見せると
「あぁ、ホントだ」
と安心していた。

「パパ今日は誰かにドラム教える日だよ」
「えっ!今日って、○○ちゃん休み?」
「『ドラム=○○ちゃん』って、だんだん少しずつ覚えられるようになってる。スゴイ!」
「やったやったー」
と喜んでいた。

7/16(水)

仕事のため面会できず

7/17(木)

仕事後に面会。

病室で半目で天井を見ているみいに声かけ。
「パパー、いらっしゃい」
と言いながら、右手を上げて手を振る素振りを見せる。
「今日は来ない日かと思ってたよー」
「やっぱりか。パパが来れなかったのは昨日だよ」
「えぇっ!ウソでしょ、昨日来たと思ったのに」
と驚いていた。

今日のパパイラストを渡す際、今日も右手で取るよう促す。
イラストが描かれた紙の方へゆっくりと右手を伸ばし、何とか掴んでいた。
不随意運動での振戦あり。
その様子を見ながら自分で
「プルプルプル…」
と表現して笑っていた。
イラストを確認し
「チップとデールだ!かわいいいー。ワシも描きたいなー、絵は好きだから」
「みい毎回それ言うね。じゃあ退院したら絵たくさん描こうね」
「うん」
と笑顔を見せる。

「ちょうど良かった。退院後の生活の話をしようか」
「いーねー、とっとと出たい(退院したい)よ」
と言う。
確認していくと、退院後の家のイメージはやはり実家になっているようで、我が家の写真を見て
「あらー、こんな良い感じのところに住んでいいのかしら」
と言っていた。
10年以上住んでいる事を伝える。
「きっと、みいはウチに帰ったら一気に思い出すんじゃないかと思ってるよ。家に帰れば病院と違って外の景色も見られるし、時間の経過とか色んな事も分かってくるようになると思うんだ」
と伝えると
「家いいね。病院はノンノンノン、だよ」
と両手の指で『✕(バツ)』を作っていた。

そのタイミングで
「おしっこしたくなっちゃった。やだねー」
「さて、どうすればいい?」
「呼ぶのー?パパいるから(呼ばなくても)いいでしょ」
「ムリムリ、病院の決まりだからね」
「どこで呼ぶのー?分からぬ。パパが行ってくれればいーじゃん」
といったやり取りをする。

看護師さんが到着し、トイレまで同行。
便座から車椅子へ戻る際
「ここに、座らせていただいて」
と言う。
「この前のリハビリでも『曲がらせていただいて』って連呼してたね」
と伝えると看護師さんから
「奥様、お風呂の時もこういう口調になりますよ」
と教えられる。
するとみいが
「だってさー、自分なんかのために貴重な時間を割いてくれてるんだよ。申し訳なくて申し訳なくて。トイレとお風呂の時は特に思うよ。自分じゃできないから」
と言っていた。

もうすぐご飯の時間なので、トイレ後は共有スペースで面会。
久しぶりに今いる病院名の確認をすると
「ここ?なみき病院。横浜の」
と正解。
視力は問題ないようで遠くに書かれた『3階スタッフステーション』も読む事ができていた。
日付の確認には
「今12月!」
と間違えていた。
また明日も来る事を伝え面会終了。

7/18(金)

仕事後に面会。

いつもより若干早く仕事を切り上げて病室へ。
声をかけると目を開け
「やあパパー」
と両手を顔の近くで振っていた。
眼鏡をつけていなかったのでその事を聞くと
「眼鏡ね、意図的に外すようにしてる。いつ呼ばれてもいいように」
と言うので
「いつ呼ばれてもいいように着けておく、じゃないの?」
と聞くと
「あはっ」
と笑い、続けて
「意図的に着けるようにしてる。『ハイ、何でしょう?』って言えるように」
と言い直す。

「パパ今日遅いじゃん。夜だもん。なんでよー」
と言うので眼鏡を装着させて時計を見せる。
「あ!16:45か」
「パパいつもは17時に来るんだけど、今日は遅いの?それとも早いの?」
「…早い」
と答えていた。

「早く退院したい」
「退院後はどこ行くんだっけ?」
「下の家」
「下の家?」
「おばあちゃんがいた、○○(実家)の」
「(我が家の写真を見せ)みいが帰る家はこの家だよ」
「良かったー」
といったやり取りをする。

座位になるよう促す。
レールを掴みながら頑張っていたが、最後は介助で起き上がる。
パパイラスト持ってくるのを忘れたと伝えると
「えー?明日は持ってきてよ」
と言う。

「今日ケアマネさんの契約してきたよ」
「ケアマネ?何する人?」
「みいが退院した後、色んなサービスを使う時にその人に手続きしてもらうんだよ」
「ありがたいねー。その人がワシの介助もしてくれるのね」
「ううん、介助はヘルパーさんで、その人は窓口みたいなもんだね。名前は○○さんだよ」
と伝えると頷いていた。
理解したかどうかは不明。

座位のまま10分以上経過していたのでその事を伝えると
「余裕だね」
と言っていた。

担当の言語聴覚士さんが前にやっていたリハビリを真似て、パパイラストを1ページずつめくり描いてあるキャラクターが言えるか試す。
すると前回は分からなかったベイブレードの主人公を言い当てたり、マンガのタイトルしか答えなかった『スラムダンク』では
「桜木花道」
と主人公の名前をフルネームで答えるなどの変化が見られた。
これからパパが夜勤である事を伝えると
「パパ頑張れ夜勤ー!」
と言っていた。
「今日で1年続けた金曜夜勤も一旦終了だよ」

「お疲れ様」
と笑顔で言っていた。

「パパ、トイレ行きたくなってきた」
と言うのでいつものように方法を確認。
「えー?呼ぶの?だってさぁ『大』だよ」
「大でも小でも呼ばなきゃダメだよ」
ナースコールを押す事は未だに覚えていないようで今回も手順を伝える。
右手を伸ばし、自分で
「プルプルプル」
と揺れる腕を形容して笑っていた。
看護師さんが到着したのでバトンタッチして面会終了となった。

7/19(土)

14:30
作業療法士さんのリハビリに合わせ面会。
直接2階のリハビリ室へ向かうと、小さな折り紙を折るリハビリを行っていた。
結構小さな折り紙だったが、ゆっくりと右手も使いながら折る事ができていた。
その際にスタッフさんから
「今日は移動に歩行器を使用しました」
と報告あり。
すぐ横に歩行器があったため
「みい今日これ使ったの?」
と聞くと
「そうそう!それ使った」
と言っていた。
移動で使ったのは30分以上前だと思われるが、記憶できていた。

折り紙は同じものを合計5個作成。
1個ずつ手順を忘れてしまっていたが折り方はとても上手だった。

「パパ髪切った?」
「気が付いたね!って事は昨日のパパの事を覚えてるって事だね」
「覚えてないよん」
「折り紙しなさい」
といったやり取りに大笑いしていた。

15:00
病室に戻る。

「髪切ったのよく分かったね」
「美容室で?」
「そう」
「あたしも切りたい。何でママばっかり入院なの?変じゃん」
「何でだと思う?」
「何でだい?」
「みい何の病気だっけ?」
「ワシ、脳梗塞」
「だからだよ」
「えー!パパだってそうじゃん」
「脳梗塞?パパ違うよ」
「パパは何だったの?」
「脳?無傷だよ」
「あちゃー。○○ちゃん(息子)は?」
「○○ちゃんも無傷」
「うわー、ワシだけかい。まわりのみんなも脳梗塞になったと思ってて、みんな回復はえーなーって思ってたの」
「そういう事だったのね」
といったやり取りをする。

「昨日パパイラスト忘れちゃったんだけど、それ覚えてる?」
と聞くと
「覚えてるよ、パパ忘れてたろ」
としっかり覚えている様子。
今日のパパイラスト(機関車トーマス)を見せると
「かわいー!トーマフだ」
と、息子が小さな頃に呼んでいた言い方で答えていた。
続けて、今日も
「ワシも描きたいー」
と言っていた。

昨日ケアマネさんと契約した話を確認すると、それは忘れていたので改めて名前と役割を伝える。
面会を続けていると、担当の看護師さんが入室。
最近はリハビリで歩く練習を多くしていて、車椅子での移動中に自分で立ち上がろうとする事があるので、現況を共有しておきますとの事だった。
みいに
「危ないからダメだよ。くれぐれも注意ね」
と伝えると
「介護者さんの手を煩わせまいと思いまして」
と言う。
看護師さんから
「いえいえ、私たちを頼ってくださいね」
と言われていた。
その後、トイレの希望があったため今日も手順を再確認。
看護師さんに依頼して退室した。

7/20(日)

半目を開けて天井を見ているみいに声かけ。
「待ってたよーパパー。まだかなー、まだかなーって思ってた」
と笑顔を見せる。

ベッドに『すみっコぐらしのひみつじてん』という本があったので確認。
「○○ちゃん(妹)がくれたの。さっきまで居たんだよ。○○ちゃんが買ってきてくれたんだよー。やったー、うれしいー」
と喜んでいた。
「じゃあLINEしてみるね」
と伝える。

今日のパパイラスト(らんま1/2)を見せると
「すごい!今日らんまの夢見たんだよ」
と言う。
「予知夢じゃん!すごいね」
と伝えると笑顔を見せていた。
と、ここで妹から返信があり、40分ぐらい前まで居た事、本を持って行った事が事実と分かる。
2日前に伝え、前日は忘れてしまっていたケアマネ決定の事を確認すると
「覚えてる。名前は分からないけど」
と言うので
「充分だよ」
と伝え、改めて名前を伝える。

『トイレに行きたいときの手順』を家で作ってきたのでそれを見せる。
「みいトイレ行きたくなった時にベッドを乗り越えてしまいそうで怖くてね」
と伝えると
「そんな事しないよー」
と言っていた。
そのタイミングで担当の作業療法士さんが入室。
『トイレに行きたい時はボタンを押してください』
と書かれた紙を持ってくる。
同じ内容であったため笑いが起きる。

担当看護師さんが入室して確認。
家から持ってきた手順の紙を貼る事で了承を得る。
リハビリ前にトイレへ。
歩行器で歩いて向かいトイレ後に2階リハビリ室へ。
「怖い」
と連呼していた。
スタッフさんが
「怖いだけで疲れはないですか?」
と聞くと
「そーですね。怖いだけで疲れてはいないです」
と早口で答え、スタッフさんと笑い合っていた。

リハビリは前日も行った折り紙。
会話の中で担当の作業療法士さんが入籍し、苗字が変わったと分かると
「おめでとうございますー。めでたいねー、パパ」
と笑顔で言っていた。
2枚ほど折り紙をした時点で便意をもよおしたとの事。

3階のトイレに向かうが排尿のみ。
スタッフさんに
「すいません」
と謝っていたが
「全然いいですよー。トイレのトレーニングにもなるので」
と言われていた。
トイレ後、スタッフさんから
「家屋調査のあと主治医が了承したら自宅で過ごす『外泊』を検討しています」
と報告を受ける。

16:00
病室に戻り眠そうな表情。
あえて
「その本なんだっけ?」
と聞くと
「この本は、○○ちゃんが買ってきてくれたたたたた」
と、ふざけながらも記憶は定着していた。

17:30
何度も眠そうな表情を見せていたので
「また明日も来るよ」
と伝え退室した。

(近日公開予定)脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【25】へ続く

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