脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【5】

まるすけ(@marusukepapa)です。

2025年2月18日(火)の夜、一緒にテレビを観ていた妻が突然目の前で意識を失いました。

すぐに救急車で搬送され緊急手術。

術後、医師から告げられた病名は
『脳梗塞』
でした。

「45才の若さで…？」
「ウソだろ…？」

『脳底動脈先端閉塞症(のうていどうみゃくせんたんへいそくしょう)』
という脳梗塞全体の中でも１％という稀な場所での発症との事。
ネットの情報も極端に少なく、内容も悲観的なものばかり…。
頭がおかしくなりそうな日々でした。

医師からは
「意識の回復は見込めないでしょう」
とまで言われましたが、奇跡的に今は後遺症を残しながらも在宅復帰して生活しています。

そんな、情報の少ない脳底動脈先端閉塞症。

「今後もし同じような状況になった方が、少しでも参考にしてくれたら…」

そんな想いから、数回にわたり私が書き留めておいた記録を元に妻の闘病記を公開していきたいと思います。

※文章は記録の文体のまま記していきます。

脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【4】はこちら

3/5(水)

よく声を出して、手も足も頑張って動かそうとする。

妻の右側に立ってから左側に移動して
「こっちだよ」
と伝えたら首の向きを左側に向ける動きをする。
帰り際の声かけで左目をパッと開き、眩しそうにすぐ閉じていた。

同日の昼に義父、両親、妹が面会に行った時はずっと寝ていたとの事。

私が帰ってしばらくした後、友人の看護師Ｔが面会。
「笑うような仕草が見られた」
と報告があった。

3/6(木)

仕事後、面会に行く。

病院側へ病状説明(IC=インフォームドコンセント)の依頼をしていたが、一向に連絡がないので再度確認。

すると
「すいません、引継ぎ出来ておらず伝わっていませんでした…」
と、驚きの返答。

改めて候補日を伝えるが、ガッカリというか…呆れてしまった。
緊急搬送時に手術をしてくれた当直の非常勤医師には感謝しかないが、
大事な家族を預けている立場からすると、こういう対応にはやはり不満を感じてしまう。

妻には普段通りに声をかける。
この日はあまり反応がなく目を閉じて眠り続けていた。

3/7(金)

仕事を少しだけ早退させてもらい面会に行く。

病室に入って声をかけると、ボソボソと独り言で何かを言っていた。
聞き取れなかったが、声を出している事に喜びを感じた。

面会を終えて病院から帰ろうと駐車場へ向かうと、友人の看護師Ｔに遭遇。
そのまま一緒に面会をする事になり再び病室へ。

面会中、かなりの時間半目を開けて手足を少し動かすなどしていた。

日中、義父が面会に行った時はずっと寝ていたとの事だった。

3/8(土)

反応良く、頷いたり、左手の指を耳の穴に入れて掻いたりする。

「パパって言える？」
の声かけに口元を
「パパ」と動かす。

息子の名前や、飼っている猫の名前も同様に口の形を作っていた。

こちらの声が聞こえて、理解して、それに応えて動かしている。

『コミュニケーションが取れている…！』

確実に良くなってると確信した。

この日は自分45歳の誕生日。
最高のプレゼントを妻からもらった。

これからも毎日面会に来て、諦めずにポジティブな声をかけ続けようと思う。

3/9(日)

両親と14:30に面会に行く。

うっすらと反応があったり完全に眠ったり、を繰り返していた。

母が妻の足をマッサージしながら
「良くなれ良くなれー」
と声をかけているのを見て
「そうそう、そうやってポジティブな声かけしていこう」
と励まし合った。

3/10(月)

日中、両親が面会に行く。
その際に看護師から
「だいぶ大声を出すようになった」
と言われたとLINEが入る。

少しずつ覚醒してきているのではないかと希望を持つ。

仕事後に面会に行く。

「今日は大きな声を出してたんだって？」
と声をかける。
少しピクッと動く程度の反応が見られた。

それ以降は特に反応はなく眠っていた。

「明日は今のみいの状態がどんな感じか、お医者さんに聞いてみるね」
と伝え退室した。

3/11(火)

再調整された担当医からの病状説明(IC=インフォームドコンセント)のため職場に休みをもらう。

9:00
担当医と面談。

・数値は良くなっている
・生命の危機はない
・年齢もそうだが、とても珍しい部位での梗塞
・カテーテルで血栓が取れただけでも良かったという印象
・どう改善するかも分からない
・脳の中で、他の部位が補助するかも
・梗塞の部分は少ない方
・時間経過で長く様子を見たい
・視床が両方とも梗塞しているため、やはり意識の戻りは難しい
等と言われる。

最近の妻の様子から、
『意識の戻りは難しい』
という言葉に疑いを持つ。

医師が説明している最中も、顔には出さないようにしながら
「うるせー、見てろよ」
と思っていた。

一旦家に帰る。

15:00
面会に行く。

眠っている妻に
「今日はこれからみいの職場に行って状況を話してくるね」
「みんなきっと心配してるから」
と声をかけて退室。

面会後、手土産を持って妻の職場に退職の手続きに行く。

妻が長年使っていた事務所のロッカーを初めて見たり、使い途中のままのメモ帳や私物などを回収したりしていると、
色々と思う事があり辛かった。

店長さんからの話で、職場の皆さんがとても心配してくれている事も伝わった。

涙をこらえながら、10年以上もの長い間お世話になった事の感謝を妻に代わって伝えた。

(近日公開予定)脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【6】へ続く