脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【23】

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まるすけ(@marusukepapa)です。

2025年2月18日(火)の夜、一緒にテレビを観ていた妻が突然目の前で意識を失いました。

すぐに救急車で搬送され緊急手術。

術後、医師から告げられた病名は
『脳梗塞』
でした。

「45才の若さで…?」
「ウソだろ…?」

『脳底動脈先端閉塞症(のうていどうみゃくせんたんへいそくしょう)』
という脳梗塞全体の中でも1%という稀な場所での発症との事。
ネットの情報も極端に少なく、内容も悲観的なものばかり…。
頭がおかしくなりそうな日々でした。

医師からは
「意識の回復は見込めないでしょう」
とまで言われましたが、奇跡的に今は後遺症を残しながらも在宅復帰して生活しています。

そんな、情報の少ない脳底動脈先端閉塞症。

「今後もし同じような状況になった方が、少しでも参考にしてくれたら…」

そんな想いから、数回にわたり私が書き留めておいた記録を元に妻の闘病記を公開していきたいと思います。

※文章は記録の文体のまま記していきます。

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7/7(月)

仕事後に面会。

3階に着くと看護師さんから
「以前お伝えした看護実習生が今日から入ります。奥様にも同意書のサインは代筆で良いと了承いただきました」
との報告を受ける。

病室に着くと今日も寝ていたので声をかけで起こす。
床頭台に先ほど話があった同意書があったのでみいに確認。
「実習生?記憶にないなぁ」
との事だった。

家で母がみい用にメロンのシャーベットを作ってくれているという話を伝えると
「いいねぇー、シャーベット早く食べたい」
と笑顔を見せていた。

今日のパパイラスト(『幽遊白書』の幽助)を見せる前に
「今日のはみい知らないかもなー」
と伝えてから手渡す。
「おー、あ!幽助かい?」
「知ってるね!そのマンガのタイトルは?」
「幽遊白書かな?」
「知ってるねー!」
「知ってる知ってる。ママも描きたいなー」
「みい退院したら左手で描く練習してみようよ」
「いいかもしれんね」
といった、前向きな発言が聞かれた。

座位になる練習。
少しの介助で座位を保つ事ができ、そのままオードリー春日のダンスで肩を動かすストレッチをする。

左右の目での視界を確認。
右目でもこちらの表情を認識する事ができていた。
曜日の確認。
「今日は何曜日だ?」
「んー、月曜かな?」
「正解!何でそう思ったの?」
「実は適当」
「今は何月?」
「4月!」
と答えるなど、見当識障害は未だに見られている。
年齢を確認すると
「40代だね。えーと、43歳」
と、かなり近い年齢を答えていた。

自分の病気については「脳梗塞」と理解しており
「なんかさぁー、治るんじゃね?とか思ってんのよ」
と言う。
「なかなか難しいとは思うけど、今の時点でかなり奇跡を起こしてるから、パパやみんなを頼りながら諦めずにやっていこう」
と伝える。

17:25
「あ、トイレしたくなってきたよーパパー」
と言う。
「トイレしたくなった時はどうすればいいんだっけ?」
と聞くが、相変わらず分からない様子。
ぬいぐるみに装着されたナースコールを手渡し
「これだよ」
と伝える。
「じゃあ、トイレ=この子、って覚える?プァプァー」
と言うので
「繋げて覚えるのはいいと思うよ」
と伝える。

看護師さんが入室。
移乗中
「迷惑をかけたくないという一心です」
と独り言を言うと
「大丈夫だよー」
と返事をされていた。

トイレ前まで同行し
「明日も来るからね」
と、お互い手を振って面会終了となった。

7/8(火)

仕事後に面会。

病室に着くと薄目を開けて起きている様子。
声をかけ
「みいー、来たよ」
「やんごとなきパパよ」
「『やんごとなき』の意味は分かるかな?」
「分からん」
「特別に大切な、とかそういう意味だよ」
「パパー、パパの手、冷たいよ。なんで?」
「ここ入る時に消毒するんだけど、今日はたくさん液が出たからそれで冷えたのかもね」
といったやり取りをする。

パパイラストブックを見ると、4日前に持ってきた『ろくでなしブルース』のイラストが一番表になっていた。
「あれ?これが表になってるって事は、誰か来た?」
と聞くと
「いっぱい来たよ。勢ぞろい」
と答えていた。

明日は職員会議で面会に来れない事を伝えると、口を尖らせていた。
「今何時?」
「パパが来たって事は?」
「5時?」
「ピンポーン!よく分かったね」
「5時だと思ったよ。今日○○ちゃん(息子)は来ないのかい?」
「平日は来ないよ」
と、ペース良く会話をする。

今日のパパイラスト(ぼくのなつやすみの主人公)を手渡す。
「あらかわいー、とってもかわいいじゃん。これ何~?これ…は~…『ぼくなつ』の主人公?」
と言う。
「すご!よく分かったなぁ。今日のは分からないと思ってたよ」
と伝えると誇らしげに笑顔を見せていた。

今日は視界良好な様子。

スマホで撮ってきた自宅の外観画像を見せる。
「これ、家の横か。うーん、いまいちだなぁ」
と言うので
「大丈夫だよ。また撮ってくるね。家に戻ったら一気に思い出すかもよ」
と伝える。

「○○ちゃん(息子)の学校名って覚えてる?」
「○○ちゃん…〇〇〇〇高校?」
「これまたすごいね!これも思い出せないと思ってたよ」
と伝える。

その後も色々な話をしたが、会話中ずっと両手の指を組んでいた。
「上手にできるようになったねぇ」
と伝えると
「むしろ、こうしてた方が落ち着くのよ」
との事。

短期記憶の確認。
「明日パパ面会は?」
「来るだろ」
「来れないよ。理由は何でだっけ?」
「○○○ちゃんに会ってドラム教えるからだね」
「残念。職員会議でした。でもドラム教えてる事を覚えててすごいよ!」
「そうだったかー」
と笑っていた。

17:25
「みい、これからご飯だけどトイレは?」
と聞くと
「行きたいと言えば行きたいかな」
と言うので方法を確認。
「押すの?」
と、すぐにナースコールと紐づけていた。
「押さないでも1人でトイレ済むようにならんか?」
と言うので
「それは無理よ」
と伝えた。
看護師さんが入室したので
「お願いします」
と言い、手を振って退室した。

7/9(水)

仕事のため面会できず

7/10(木)

仕事後に面会。

病室で声かけ。
「いらっしゃーい、パパ。寝こけてたよ」
と、笑顔を見せる。
「昨日来れなくてゴメンね」
と伝えると
「え?昨日?昨日パパ来たろ」
と真顔で言う。
「職員会議で来れないって伝えたでしょ?」
「それは今日やろ」
と言い、日付の認識は相変わらず不安定なようだった。
パパイラストブックに目をやると、かなり初期に描いたポムポムプリンが一番前になっていた。
「なぜこのイラストが?T来た?」
「いや、誰も来てないハズ」
と答える。
「最新は『ぼくのなつやすみ』だけど、誰かがこれにしたのかも」
と伝える。

「今日のパパイラストを見せるよ」
「早く見せてー。右手が不自由だけど」
「でも上手に掴めるようになってるよ」
「あ、パーマンだ。逆さパーマンだよ」
「それ裏面だから、表にしてごらん」
「あ、かわいー!今度はピンクのパーマン描いてよー」
「オッケー、任せて!」

今の時刻を確認してもらうために、床頭台に置いてあるデジタル時計を見せる。
「ん?17時10分?」
と言うので
「つまり?」
と聞くと
「夕方の5時10分だね」
と答えてた。

「メインでリハビリしてる3人の名前は分かる?」
「〇〇さん」
「すごい!やっと○○さん覚えたね!」
「(笑いを堪えるように)一番厳しいんだよー。優しそうなのに『違います』とか言うんだよ」
「あとの2人は?」
「うーん、忘れちゃうなー」
といったやり取りをした後、髪が乱れてたので結い直し。
「気持ちいー。髪触られると気持ちいー」
と目を閉じる。

今日はこれから〇〇〇ちゃんにドラム教えに行く予定を伝え、手を振って退室した。

7/11(金)

仕事後に面会。

3階に着くと共有スペースで左肘をついて寝ていた。
声をかけると目覚める。
「あれ?パパ今日は来れない日じゃなかったっけ?」
「何かと勘違いしてるね。パパが来れなかったのは一昨日の職員会議の日だよ」
「そっかー。今日はパパ来ない日と思っててー、で、さらにリハビリの人も誰も来なくてさ。さて、どうしようと思ったら眠ってしまってね…気が付いたらパパが来た」
「今日のリハビリは予定通りできてたみたいだよ」
と伝える。
記憶が交錯している模様。

まずは前日の記憶確認。
「パパは面会後どこに行ったでしょう?」
「ハイハイハイ!○○(甥っ子)のところ」
「ブー」
「なんでだよ!」
「そんなに自信あったんか。正解は○○○ちゃんにドラムを教えに行ったんだよ」
「いいねー!○○○ちゃん、どうだった?」
「○○ちゃん(同じくドラムをやっている息子)と一緒でセンスあるし練習好きだからどんどん伸びてくと思うよ」
と、前日の話は覚えていない様子だった。

「明日はみいのリハビリ時間に合わせて14:30に来て16:30頃まで居ようと思ってるよ。
そんで、その後Tとか高校の友達と横須賀中央で会う予定だよ。みんなみいの事を心配してるから近況報告してくるね」
「じゃあ、明日はみんながここに会いに来てくれるって事?」
「違う違う、パパがみいの面会の後にみんなに会ってくるって事だよ」
「そういう事か」
「そんで、日曜日には○君と○ちゃん(弟夫婦)が面会に来るよ」
「目がヤバいよ、って伝えといて。目がヤバいんだよコイツ」
と自身を指差して説明していた。

今日のパパイラストを見せる。
「あー!ハイハイ!あー、これ何だっけー?」
「『ベイブレードの主人公』だよ」
「懐かしー!」
と笑顔を見せていた。

17:30
そろそろ帰ると伝えると
「パパー、明日も来てやー」
と言うので
「もちろん」
と伝え退室した。

7/12(土)

14:30
予定では14:00から担当の言語聴覚士さんのリハビリだったため2階の言語聴覚訓練室へ訪問。
リハビリの合間の休憩時間だったようで、タブレットでYouTubeのネコ動画を見ているところだった。
左目で見ながら
「かわいー」
と言っていたが
「あ、トイレ行きたくなってきた」
と意思表示があったためスタッフさんとトイレへ。
右手すりのトイレだったが、ほぼ問題なく行えていた。
訓練室に戻り、机の上にランダムに置かれた1~10までの丸型マグネットを1から順にスタッフさんに渡すリハビリを行う。
手前に置かれたマグネットもしっかり認識している様子で、間違える事なく渡す事ができていた。
スタッフさん曰く、前はマグネットを目の前まで持ってこないと番号を確認できなかったとの事。
続けて、写真を見て名前を言うリハビリを行う。
鳩、ネズミ、カエル、象、キリン、と間違える事なく言い当てていた。
15:00
作業療法士さんのリハビリとなり、1階のリハビリ室へ。
首のマッサージから行うと
「気持ちいいー。永遠に続けばいいのに、ってぐらい気持ちいい。でも、続かないと思った方がいいんだよ、悲しくなるからね」
と話していると、一瞬だけリハビリ室のドアが開く。
「セミ鳴いとんのー」
と言う。
「よく聞こえたね。じゃあ季節は?」
と質問すると
「7月か?」
と答えていた。

座位になるよう促されると、左肘を使って何とか起き上がっていた。
その体勢のまま足裏でゴルフボール、テニスボールを転がすリハビリを行う。
右足も左足も上手にできていたが、やはり左足の方がスムーズだった。
続けて車椅子を足で操作するリハビリを行う。
概ね問題なく操作し、廊下ではS字の道も上手にコントロールして進む事ができていた。
曲がり角を曲がる度に
「ここを曲がらせていただいてー」
と発していた。

16:00
病室で横になる。
今まで描いたパパイラスト全ページを確認。
1枚めくるごとに何が描いてあるかスムーズに答え、全部正解していた。
「パパの今日この後の予定は?」
「パパ?みーんなで会うだよ。○君○ちゃん(弟夫婦)とか」
「いやいや、それは明日で、今日はTとか高校の友達と会うんだよ。みんなにメッセージある?」
「こうなっちゃダメだよー…って、ならねーだろ!」
と自分にツッコミを入れて笑っていた。

16:30
「じゃあまた明日、弟夫婦と来るね」
と伝えると、右手を振って笑顔で見送っていた。

7/13(日)

14:30
弟夫婦はもう少し後に到着するとの事で、先に面会。

3階に着くと共有スペースの机で、車椅子のままうつ伏せ寝をしていた。
笑いながら声をかける。
「あー、パパー、パパにどうやったら会えるか考えてたんだよー。そしたら寝ちゃったんだよー」
「じゃあこうやってパパが来たから願ったり叶ったりだね」
「パパ、今何時?」
「時計見てごらん」
「2時半?パパは何で3階に来た?」
「みいの部屋があるのは3階でしょーが」
「ウソだー、2階でしょ。さっきね、梅干し体操ってやつやらされてさー、やりたくねーのによー、そんでー、『うまい』とか言われてー、おだてられてー」
と言っていた。
夢か現実かは不明。

14:40
弟夫婦が到着。
「おー!○君と○ちゃん!ここに2人がいるの変な感じー」
と笑顔で話す。
「あのね、ここに居ると時間がすごく早く過ぎるんだよ」
と2人に報告していた。

面会中、フロアを歩いている男性スタッフの事を『はじめしゃちょー』と言い張る。
「あの人、はじめしゃちょーじゃないよ」
と伝えるが
「なんでよー、はじめんに見えないの?○君(弟)も?」
と聞く。
「雰囲気は似てるけど」
と弟に言われ
「えー!」
と大きな声でリアクションしたため
「声でかい」
と注意。
「あぁー、ごめんなさい」
と笑いながら謝っていた。

車椅子の前進、後退、方向転換を弟夫婦に見せる。
スムーズに行えていた。

今日のパパイラストを見せると
「おー、スラムダンク!」
と即答。
「細かいから、こうやって離して見るのよー」
と2人に説明していた。
すると急に
「○○ちゃん(息子の名前)、そんなとこで何してんのよ?」
と奥の部屋に向かって言う。
「○○ちゃんは今日来てないよ。みいの見間違いだね」
と伝える。

パパイラストを病室に持って行っている間、甥っ子姪っ子の話で拍手をしながら盛り上がっていた。
2人に
「もっと来てほしい」
と伝え
「頑張る!」
と言われていた。

ベッドへの移乗を見てもらうため部屋に移動。
スムーズに移乗できている姿を見てもらう事ができた。
看護師さんから、イラストをスタッフでも楽しませてもらっていると報告を受ける。

15:30

そろそろ帰ると伝えると、2人に
「頑張ってねー」
と言い
「はい!お姉さんも!」
と返される。
「また来てね」
と両手で手を振り見送っていた。

(近日公開予定)脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【24】へ続く

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