まるすけ(@marusukepapa)です。
2025年2月18日(火)の夜、一緒にテレビを観ていた妻が突然目の前で意識を失いました。
すぐに救急車で搬送され緊急手術。
術後、医師から告げられた病名は
『脳梗塞』
でした。
「45才の若さで…?」
「ウソだろ…?」
『脳底動脈先端閉塞症(のうていどうみゃくせんたんへいそくしょう)』
という脳梗塞全体の中でも1%という稀な場所での発症との事。
ネットの情報も極端に少なく、内容も悲観的なものばかり…。
頭がおかしくなりそうな日々でした。
医師からは
「意識の回復は見込めないでしょう」
とまで言われましたが、奇跡的に今は後遺症を残しながらも在宅復帰して生活しています。
そんな、情報の少ない脳底動脈先端閉塞症。
「今後もし同じような状況になった方が、少しでも参考にしてくれたら…」
そんな想いから、数回にわたり私が書き留めておいた記録を元に妻の闘病記を公開していきたいと思います。
※文章は記録の文体のまま記していきます。
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6/2(月)
仕事後に面会。
3階にエレベーターで向かう途中、2階からリハビリを終えたみいと担当の作業療法士さんが乗ってきて合流。
「おー、来たか」
と手を振って笑顔を見せていた。
そのままみいの希望で共有スペースにて面会。
今日のパパイラストを手渡し、何が書いてあるか確認する。
しばらく見つめて考え、
「孫悟空さん」
と答える。
「ほー、ミッキーを孫悟空と言ったか」
に大笑いする。
「右目の方が見やすいんだけど、両目でも何となく分かるんだよねー。もう1回見てみるよ」
と角度を色々変えながら見て
「ミッキー、かわいー」
と言っていた。
会話を続けていると
「パパ来ないと心細いよ…どうしよう」
と悲しそうな表情をするので
「それはパパもだよ。みいがいないと毎日超つまんないや」
と伝えると笑顔になっていた。
顔の前に人差し指を出して
「掴んでごらん」
と伝えると、ゆっくりだが右手で掴む事ができていた。
場所を変えてもう1回挑戦しても掴めていたため
「前はこれできなかったから、目が動くようになってるね。頑張ってる証拠だよ。まだ目が外に向いてるけど、やっぱり良くなってる実感あるね。このまま頑張ればもっと可動域が増えると思うよ」
に頷いていた。
家に帰ってからの生活イメージを話しながら記憶の確認をする。
「働きたいなー、でも迷惑かけるのは嫌だからー、迷惑かからない程度のお仕事をしたいな。何もしないとさぁ、ボケちゃうから」
「じゃ在宅の仕事を探してあげよう」
「そうしよう。もっと頑張って両手使えるようになりたい。で、会話できるようになりたい」
「昨日誰が来たか覚えてる?」
「ちょっと分かんないねー、昨日誰来た?」
「じいじちゃんだよ」
「あ、じいじちゃんかー、うっすら覚えてる。ばあばちゃんは?」
「来てないよ。パパ昨日ここに来る前にね、ばあばちゃんに色鉛筆の使い方教えてもらったよ。パパイラストのために」
といったやり取りをする。
(※義母は何年も色鉛筆画を習っているため、色の塗り方やコツを前日に教えてもらった)
共有スペースに続々と他の患者さん達が集まってきたので
「そろそろ部屋戻ろうか」
と伝えると悲しそうな顔をして
「えー、もう終わりー?」
と言う。
「悲しんでくれてありがとね。また明日も絶対に来るからね」
と伝える。
看護師さんが近くにいたので移動を依頼。
そのままご飯になるとの事で指定の席へ。
「しっかり食べな」
に
「はーい、また明日ねー」
と左手を振って応えていた。
6/3(火)
仕事前に最寄りの行政センターにて介護保険の申請をする。
年齢的にも介護保険の被保険者番号などがなく、それらの新規取得からとなり時間を要した。
後日、介護保険認定員による調査が入るとの事で了承する。
仕事後に面会。
3階に着くと、ちょうど担当の作業療法士さんと一緒に戻ってきたタイミングだった。
スタッフさんに本日介護保険を申請してきた事を報告。
相談員にも共有しておくとの事。
スタッフさん退室後、ベッド上で笑顔を浮かべて話を聞いていたみいが
「するとー、するってーとー、ワタクシー、どーなるの?夜」
と言う。
「夜は介護保険関係ないよ」
と伝えると
「んー、よーわからん」
と言っていた。
今日のパパイラストを持ってきた事を伝え
「パパイラストの事、覚えてる?」
と聞くと
「覚えてるよ。早く見せてくれぃ」
と手を伸ばしていた。
ドラクエのスライム3体を描いた紙を渡す。
「わーキレイ!」
と笑顔を見せる。
「このキャラクター、何だっけ?」
と質問すると
「これはー、スライム。かわいー、めちゃくちゃかわいー!」
と笑顔で連呼していた。
「パパ、なんでパパだけ退院してんのよー」
「パパはもともと病気じゃないよ」
「いいなー、病気じゃないなんて」
「何でみいは入院してるんだっけ?」
「バカだから?『バカ入院』じゃない?へっへっへ」
というやり取りをしながら大爆笑する。
※自分以外のみんなも入院していると思っている?
入院に至る経緯を再び説明。
明日だけ職員会議で面会に来られない事を伝える。
横になったままだと眠くなってしまうと思い
「起き上がって座りながらお話しよう」
と伝える。
わずかな介助のみで頑張り、ほとんど自分の力で座位まで持ってくる事ができていた。
ネコのぬいぐるみを持ちながら
「おい!重いよお前はー」
と言うので
「家にいる本物のネコちゃんはもっともっと重いぞ」
と伝えると
「かわいいなぁ」
と笑顔を見せていた。
時計が読めるか確認。
以前購入したデジタル時計を見せると
「17:25…5時25分か!」
とスムーズに頭の中で変換して声に出す事ができていた。
17:30になり、また明後日と伝える。
ベッド上で横になりながら右手を振って見送っていた。
6/4(水)
仕事のため面会できず
6/5(木)
夕方に、友人の看護師Tから面会に来たとLINEあり。
会話の中で、脳梗塞発症前の出来事の記憶が所々抜けていたと報告あり。
仕事後に面会。
病室に着くと眠っていたので声かけ。
「寝ちゃったよ」
「これ何だっけ?」
「パパ。パパノート」
「正解はみいノート」
「ボケボケじゃねーか。早く退院したいー」
「退院する頃にはみいノートだけじゃなくパパイラストもたくさん溜まってるだろうから楽しみだね」
「そうだねー。あ、パパ。おしっこしたい」
「さてどうしたら良いんだっけ?」
「自分で行くのかい?」
「危ないからそれはダメだよ」
「パパと行くのかな?」
「それ(ナースコール)使うんだよ」
「これ?って事はお姉さんと行くのか。知らなかったよー」
「看護師さんとね」
ナースコールを自分で押した後
「看護師かー、あれだね、アレよ」
と、看護師の名前を思い出そうとしていた。
忍者のポーズをしながら悩み続け、結局思い出せなかったようで
「ふざけんなよー」
と逆ギレしていた。
「(看護師の名前)○○さんでしょ」
と確認すると
「そう、それ!」
と笑顔を見せていた。
病室に来たのがちょうどその看護師さんで、一緒にトイレへ。
「終わりましたー」
という声が聞こえるなど、スムーズに排尿している様子が伺えた。
廊下にて、担当の作業療法士さんが駆け寄り
「奥様って、右目の方が見えてる感じですか?」
と質問あり。
「どちらも視力悪いんですよ」
と伝える。
リハビリ中、右目で見る癖があるといった報告を受ける。
時間的にそろそろ夕食との事で共有スペースでの面会となる。
TとのLINEのやり取り画面を見せる。
目を凝らしながらそこそこスムーズに読む事ができていた。
その後、スタッフステーション内での看護師同士の話が賑やかになると
「チッ、うるせーなぁー、ピーチクパーチクよー」
と言い始める。
「コラ!だから共有スペースでの面会は嫌だったんだよ」
と伝えると
「わかるー」
と他人事だった。
片目ずつ視力確認。
「右目の方、薄らぼけてる。うすらボケ」
と笑って答えていた。
面会終了時刻となったため
「また明日ね」
と伝えて退室した。
6/6(金)
仕事後に面会。
病室に着くと介護士さんから声をかけられて起こされているところだった。
そのまま介護士さんと一緒にトイレ入室。
中から聞こえる会話から、とてもスムーズに排尿できている様子が伺えた。
自室のベッドへ戻る。
移乗する様子を見ていたが、靴も以前よりスムーズに脱ぐ事ができていた。
「どちらで面会しますか?」
と聞かれたので、暴言のリスクを考えて病室を選択。
ベッドで面会する時はなるべく座ってみようという事を提案する。
了承し、自分の力でサイドレールを掴みながら起き上がりに挑戦。
1度目は途中で横になってしまったが、2度目は見事成功。
1人で座位を保つ事ができていた。
あぐらをかく事もできていたが、しばらくすると
「痛い」
との事で右足を伸ばしていた。
今日のパパイラスト(ドラえもん)を見せる。
前日より短い時間で把握し
「かわいー、ドラちゃん」
と笑顔を見せていた。
そのまま右目、左目で見る練習をする。
どうやら本人は『寄り目』になってると思っている様子。
実際は瞳が外に向いてる事を伝えると驚いていた。
つまり視界的には寄り目の時のように焦点が合いづらい可能性有。
「今日は金曜日だから夜勤だよ」
と伝えると
「パパ、何で夜勤なんだよー」
と以前と同じ質問をする。
息子の大学進学にかかる費用のため、と、夜勤で働く理由を説明する。
すると
「○○ちゃん(息子の名前)は?」
と聞いてくる。
「明日来るよ」
と伝えると
「ねぇ、○○ちゃんはー?」
と再び聞くので
「明日来るってば」
と伝えると
「へへへ」
と笑っていた。
「今からご飯だから、そのあとは今日パパが描いたドラちゃんみたいに寝るといいよ」
と伝えている最中、床頭台に置いたスマホからLINEの振動音が連発。
「だれー?うるっせーなー」
と言う。
スマホを確認後
「これ聞いたらみい怒るんじゃないかなー、LINE送ってきてるのは○○(高校のグループLINEのうちの1人)」
と伝えると
「どーでもいーわー」
と呆れた顔で話していた。
※みいとは高校時代から一緒にいるので友人も共通。
退室時
「プァプァー、がんばれ夜勤ー」
と左手を振って見送っていた。
6/7(土)
14:30
面会開始の時間に合わせ到着。
14:00からリハビリ予定だったため、直接息子と1階リハビリ室へ向かう。
みいの
「やだー」
という笑い声が聞こえ発見。
「何が嫌だったんだ?」
と聞くと
「しつこい、って言われたー」
と答える。
今日担当してくれている理学療法士さんに聞くと
「自分も同じなんですが『O型の人しつこい』って言われて嫌ですよねー、って話してたんです」
との事。
その理学療法士さんによると、以前も1度リハビリを担当した事があったがその頃に比べて会話がスムーズになってよく話すようになったと伝えられる。
足の伸縮リハビリ後、ベッドで横になり視界のチェック。
「ここ見えますかー?」
に
「見えまーす」
「見えませーん」
と反応良く返事していた。
その後は右目を使ったリハビリを中心に行う。
終了時、スタッフさんから
「左目が上を向いているので、生活の事を考えると足元が心配です。なので、固くなった首元も刺激して、少しずつ眼球を動かしていけるようにしましょう」
と話があった。
3階共有スペースに移動。
スタッフさんがいなくなった途端に
「○○ちゃん(息子)どこだ?」
と言い、首を動かしながら探す。
「寄り目で申し訳ないね」
と言うので
「昨日も言ったけど、瞳は外に向いてるよ」
と伝える。
「キモイね」
と大きな声で言うので息子が
「ママ、声でかい!」
と注意する。
会話の中で息子が
「ママ、本当に爪の形がそっくりだね」
と自分の指とみいの指を並べて伝える。
じっと見つめながら
「片方の目ならピント合うんだけど」
と言う。
部屋が暑かったようで
「暑い」
と言いながら上手に服の袖をめくっていた。
息子が
「お風呂は気持ちいいの?」
と聞くと
「風呂気持ちいい!気持ちいい!」
と笑顔で答えていた。
暑いので病室へ移動。
今日のパパイラストを見せるとすぐに理解し
「かわいいー、ポムポムプリンと白いネコ」
と言っていた。
そろそろ帰る事を伝えると
「えー、もうお別れー?」
と悲しそうな表情をする。
また明日も来ると伝えると、渋々手を振って見送っていた。
6/8(日)
14:00から担当の理学療法士さんさんとのリハビリ予定だったため今日も直接1階のリハビリ室へ。
声をかけると
「厳しいんだよー、○○さん」
と、スタッフさんを下の名前で呼ぶ。
「厳しくしてください」
と私が伝えると
「分かりました、ビシビシいきます。今日は車椅子を足で操作する練習をしましょう」
と笑顔で伝えられる。
室内を2往復したが、まぁまぁ上手にできていた。
15:00
リハビリが終了し3階共有スペースへ。
しばらく話を続けていると
「うーん、うんちしたくなってきた。パパと一緒に行けるかな?」
と言うのでスタッフを呼ぶ。
一緒にトイレ入室し排尿、排便確認。
しっかりとした普通便だった。
今日のパパイラスト(みいが昔やっていたファミコンソフト『マザー2』の主人公と他キャラ)を見せる。
すぐに
「おーっと、これはーすごい!これさー、ネロだね」
と名前を言い当てる。
「パパも主人公の名前までは忘れてたよ。じゃネロの足元にいるのは?」
と聞くと
「うはは、『どぜうさん』だ!」
と笑っていた。
※正しくはネロ→ネス、どぜうさん→どせいさん
会話の中でリハスタッフの話になり
「みんな怖いけど優しいんだよ」
と笑顔で話す。
「それだけみいに良くなってもらいたいって事だね」
と伝える。
急に
「何だテメーはよー」
と怒る。
「何か見えた?」
と聞くと
「この、これ!」
と机の上のティッシュを指差す。
「何か分かってないみたいだから、持ち上げて確認してごらん」
と伝える。
ムスッとした表情で持ち上げたあと、ハッとした表情で口に手を当てていた。
「何だった?」
と聞くと
「…だだのティッシュ箱だった」
と笑いを堪えながら言っていた。
16:00
担当の作業療法士さんが来る。
2階のリハビリ室へ移動。
その際も、自身の足で車椅子を操作する練習をする。
到着すると
「足が疲れましたー」
と笑いながら報告していた。
ベッド上で右肩マッサージを行ったあと、座位のままベッド上に置いたリングを取るリハビリを行った。
リハビリ後、病室に移動。
3時間近く車椅子の上にいたため、横になった時は
「あーラクになったー」
と喜んでいた。
明日は来れない事を伝え、お互い手を振って退室。
(近日公開予定)脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【19】へ続く



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