まるすけ(@marusukepapa)です。
2025年2月18日(火)の夜、一緒にテレビを観ていた妻が突然目の前で意識を失いました。
すぐに救急車で搬送され緊急手術。
術後、医師から告げられた病名は
『脳梗塞』
でした。
「45才の若さで…?」
「ウソだろ…?」
『脳底動脈先端閉塞症(のうていどうみゃくせんたんへいそくしょう)』
という脳梗塞全体の中でも1%という稀な場所での発症との事。
ネットの情報も極端に少なく、内容も悲観的なものばかり…。
頭がおかしくなりそうな日々でした。
医師からは
「意識の回復は見込めないでしょう」
とまで言われましたが、奇跡的に今は後遺症を残しながらも在宅復帰して生活しています。
そんな、情報の少ない脳底動脈先端閉塞症。
「今後もし同じような状況になった方が、少しでも参考にしてくれたら…」
そんな想いから、数回にわたり私が書き留めておいた記録を元に妻の闘病記を公開していきたいと思います。
※文章は記録の文体のまま記していきます。
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5/26(月)
仕事後に面会。
ちょうど言語聴覚士さんのリハビリが終了した所で遭遇。
見える範囲が広がっている事や、今日の昼食から軟飯常食(全体的に柔らかく調理した食事)になったと報告を受ける。
既に3食とも常食になっていたと思っていたので認識に違いがあった事を共有した。
「これでまたリハビリの種類を広げられます」
と言われたので
「妻、すぐにリハビリ手を抜くんです」
と伝えると、笑いながら
「そうみたいですねー。リハビリ苦手じゃないですか?」
と、みいに質問。
「苦手じゃないですよー」
と返事をしたが、スタッフさんがいなくなった後もう1度聞くと
「苦手すぎる」
と言いながら笑っていた。
そのまま共有スペースで面会。
みいの右側に座ると、
「パパー、なんで行っちゃうのー?」
と言う。
どうやら右側で見えなかったらしく左側に座り直すと
「見えた!」
と笑顔を見せていた。
「病室に時計置いたの覚えてる?」
「覚えてる」
「誰が持ってきた?」
「パパが買ってきた」
「いつ持ってきたっけ?」
「いつかは分からないけど、時計見て何となく朝とか昼が分かったかなー」
「漫画は読んだ?」
「あたしンち、めちゃめちゃ読んだ」
「ページめくれたの?」
「ううん、めくってもらった、やってもらってー、読んだ」
「誰に?」
「誰だったかなー」
「スタッフさん?」
「そうかもしれん」
といったやり取りをする。
突然
「自動販売機ー」
と言う。
「何の事?」
と聞くと笑いながら
「見えるようになったんだよ」
と言う。
※リハビリ移動中に1階にある自販機を見た事かと思われるが真偽は不明。
記憶の確認。
「昨日は誰か来なかった?パパの他に」
「昨日(友人の看護師)T来たよ」
「すごい!正解だよ」
「来たねー」
「おとといはパパの他に誰か来たかな?」
「おとといはー、○○ちゃん?(妹の名前)」
「正解!」
「あとはねー、○○ちゃん(息子の名前)」
と、連続で正解し数日前の記憶が少しずつ定着できるようになった印象。
見当識の確認。
「今みいは何歳?」
「ワシ?ワシー、40、あれ?もう50になった?」
「まだだよ」
「49?やだー」
「もうちょっと若い」
「48?」
「もうちょい」
「44?」
「45歳だよ」
「45かぁー」
「今は何月かな?」
「2025年でー」
「すごすぎる!」
「で、それは1月よ!」
「残念、5月」
「5月か」
「2025年が出たのはすごいよ!」
「時計に出てた気がする」
との事だった。
17:30になり、夕食のため違う机に移動。
今週は水曜だけ研修で来れない事を伝える。
「寂しいけどしゃーない。他の日は全部来れる?」
と聞くので
「もちろん」
と答えると笑顔を見せ、ハイタッチをしながら
「気をつけて帰ってね」
と言い見送っていた。
5/27(火)
仕事後に面会。
共有スペースで座っていたのを発見。
声をかけたあとスタッフステーションに寄り、約1時間前にスマホに不在着信があった旨を伝える。
担当の相談員さんから
『以前ご依頼のあった面談、金曜日の17:30からお時間取れました』
という連絡だったと説明を受け、了承する。
「記憶の確認をするね」
「あー、いーよ」
と答えるので
「ずいぶん強気だね」
と伝える。
「明日、パパは面会に来られるでしょうか?」
「パパ来れないよ、明日はここでー、犬のレッスン受けるから」
と曖昧な返事をしたあと
「なんでよー、来れないのー?」
と不機嫌な表情を見せる。
「夕方から研修なの」
「明日以外だと何時に来るんだ?」
「5時だね。みい時計見てる?」
「一応見てる。何となく時間見るようにしてるよ」
「それ大事だね。あたしンちは読んでる?」
「パパが、がっつり居られる時は見るようにしてる」
「うん?」
「こうやってー、あれ、ない!」
「ここは病室じゃないよ、ここは何かな?」
「3階のロビー」
「何する場所?」
「スタッフさんが色々してる場所」
「正解。あと、ここはご飯を食べる場所でもあるんだよ」
「そーなんだ」
といったやり取りをする。
※リハビリ後である事と目の開き具合から眠い可能性あり。
食事の準備が始まったので
「じゃあ明日だけ我慢ね。明後日からまた毎日来るから」
と伝えると
「うん、じゃあねー」
と見送っていた。
5/28(水)
研修のため面会できず
5/29(木)
仕事後に面会。
寝ていたみいを起こし
「昨日1日よく耐えたね」
と伝える。
すぐに笑顔になり
「パパ、何で今日はこんなに遅かったんだい?」
と聞くので
「いつも通りだよ。時間見てごらん」
と、時計を見せる。
「じゅ、じゅ、じゅ、16時58分?も、も、もう少しで17時?」
「17時って何時かな?」
「5時だね。体感的には夜8時半から9時ぐらいだった」
「その時間は面会できないよ」
「そりゃそうか」
「そういや、Tは来た?」
「あ、T来たよ」
「いつ来たの?」
「ここにいる時だね」
「日にちは分かるかな?」
「んーわからん」
「明日、介護保険の事とか退院後の事とか、いろいろ聞いてみる事になったよ」
と伝える。
※17時=5時という理解もできる事が分かった。
スマホ操作の確認。
なかなか任意の所が押せず難しかった。
床頭台に
「5/30(金)CT」
と書かれた札を発見。
「みい明日CTやるみたいだよ」
「なんでよー」
「入院して2か月経ったから、今の状態を見たいんじゃないかな。良くなってるかもよ」
「そんな事ないんじゃないかなー」
「だってね、こうやってお話しできるようになってる事がスゴい事なんだよ」
「そうなの?」
「実はね、みいが倒れた時に医者から『意識の回復は見込めない』って言われたの」
「マジか!」
「その時は人生で一番泣いたよ。これから一生みいと話せなくなると思って」
「全然知らなかったよー」
「だから今の状態はまさに奇跡と思ってるよ」
「医者からそんな事言われてたのにね」
「ここまでべらべらべらべら話せるようになるなんてね」
(べらべら…の所で笑いながら一緒に「べらべらべらべら」と口ずさむ)
「だから、右手が少し不自由だろうけど、それでもそこまで動くようになったんだからこれからもリハビリ頑張ろうね」
「もっとみんなをビックリさせてやろう」
「いいねぇ」
といったやり取りをする。
面会終了時間となり
「じゃあ今日もしっかりご飯食べるんだよ。明日も絶対来るからね」
と伝えると
「うん、明日も来てね」
と言い、今日は右手を振りながら見送っていた。
5/30(金)
仕事後に面会に向かうと、駐車場で面会終わりのTと会う。
「絶好調だったよー!」
との事。
3階に着くと担当の作業療法士さんが
「先ほどTさんが面会に来られてましたよ。なかなか今日はハイテンションでした」
と笑顔で話される。
病室に着くと
「パパ聞いてー、嬉しいねー」
と笑顔で話す。
「ん?Tが来た事?」
「それもそうなんだけど、なんかー、犬が来たら嬉しくなっちゃって」
「寝ぼけてるね、目の前にいるのはネコのぬいぐるみだぞ」
「あらやだアタシったら『犬がー』とか言って、笑えるー」
と笑っていた。
この後、相談員さんと面談する事を伝えると
「やーだ」
と言う。
理由確認に
「きっと話分からないから」
と言うので
「これからの事で確認したい事があってね、パパだけで話すから大丈夫だよ。みいきっとポカーンだもんね」
と言うと笑っていた。
「お腹すいたー」
と言うので
「あ、みいが『お腹すいた』って言うのここ来て初めて聞いたね。もうすぐご飯だよ」
と伝える。
今日から1日1枚ずつ、パパが書いたイラストを持って来ると伝える。
イラスト帳を手渡すと
「見たい」
と言って頑張って1ページ目をめくり
「スヌーピー、かわいー」
と笑顔を見せていた。
「めくる動作がリハビリにもなるし、何が描いてあるかを考えるのも脳に良いと思ってね。明日も描いて持ってくるね」
「パパ明日は何時に来るー?」
「リハビリ時間に合わせて○○ちゃん(息子)と一緒に14:45ぐらいに来るよ」
「へへ~、○○~ちゃん」
と繰り返していた。
今日のCTの感想を聞くと
「ウィーン、ガシャンて音が怖かったよー」
と言っていた。
※数時間前の出来事も記憶できるようになってきている印象
相談員さんが入室し挨拶。
この後別室にて面談実施と伝え退室。
面会終了時刻になり
「また明日ね」
と伝えお互いに手を振って退室。
そのまま相談員さんと別室にて面談。
介護保険の申請時期について、すぐにでも申請して良い事を確認。
みいの要介護度については現在の状態だと要介護4から5という見込み。
身体障がい者認定の申請も進めたいと伝えると可能との事。
今後も使えるサービスは使っていき、行政にも確認しながら進めていく。
面談終了後、夕食中のみいを発見。
声かけに
「えーパパ帰っちゃうの?」
と言う。
「今日もこれから夜勤だからね。明日も来るよ」
と伝え、ハイタッチして退室した。
5/31(土)
病室に着き、寝ているみいに息子が
「ママ来たよー」
と声をかけると目を開け、
「すごい寝てた」
と笑顔を見せる。
このあとリハビリである事を伝える。
「誰と?」
「○○さんっていう人だよ」
「もう誰でもいーよー、あ、でも男の人の方が優しいね」
と言っていた。
15:00になり、リハビリスタッフさんが入室。
2階のリハビリ室へ移動中、車椅子フットレストから足を下ろし自分で蹴って動かしていたため危険と伝える。
車椅子の事を
「なんだこのセグウェイは」
と言っていた。
リハビリスタッフさんより
「最近起きてる姿を見る頻度が上がってますよ」
と報告あり。
リハビリ室に到着。
タオルを両手で押さえて、それを机の上にあるセロハンテープまで届かせるリハビリを行う。
その様子を見ながら、息子が
「1週間前よりはっきり声が出るようになって活発に話せるようになってる。態度分かりやすいな。リハビリとか面倒くさい時はごまかしながら喋ってる」
と言う。
ひと段落し
「疲れてないですか?」
と聞かれ
「クタクタです」
と答えたため、すぐに嘘だと分かった。
そのため
「ウソですコレ」
とスタッフさんに伝える。
「あっはっは!」
と笑っていた。
その姿を見て、息子が
「前の笑い方だ!ママの実家にいる時とか、友達といる時と同じ笑い方になった」
「あと、言葉がポンポンと出るようになってるよ。横顔の感じも戻ってきてる」
と言っていた。
色々な形、色の積み木ブロックを、それぞれの形の穴が開いた土台に入れるリハビリを行う。
後半になるにつれてスピードアップし正解率も上がっていた。
リハビリ後、共有スペースで話をしていると
「正直、眠いね」
と言うので病室へ。
「また明日来るからね」
と伝えると、笑顔を作り
「おやすみー」
と右手を振って2人を見送っていた。
6/1(日)
義父と一緒に面会に行く。
寝ているみいに
「来たよ」
と声をかけると目を開け
「寝るしかないのよー。退院したいのよー」
と言う。
「退院したいのはよく分かるよ。入院は期限が決まってるから、その期間は頑張ってリハビリしてもらいたいな」
「いつまで入院?も、もしかして何年後?」
「ううん、あと3か月で強制的に退院」
「良かったー」
「家に帰ったらリハビリできないから、何とか頑張って」
「サボっちゃうからね」
と笑いながら話していた。
今日のパパイラストを見せる。
じっと見つめ
「たぬきちだ!かわいー」
と、どうぶつの森のキャラクターを言い当てていた。
「右手動かしてみて」
に
「おーい、なんだこの手はー。意思に反するぞー」
と言う。
義父が
「勝手に動いちゃう、って事?」
と聞くと
「そうなんだよー」
と答える。
今日はもうリハビリはない事を伝えると笑顔を見せていた。
「昨日、○○ちゃん(息子)来たの覚えてる?」
「覚えてるよー!でも、何やってたかは分かりません」
と話していた。
その会話中、少し伸びてきたみいの顔の毛を触っていると
「おい、ヒゲを触るなヒゲを。明日Tが見に来るだろ」
と言って大笑いしていた。
※翌日にTが来るとは聞いていない。
起き上がり動作の確認。
少し背中を支える程度の介助で起き上がる事ができていた。
その際、義父の服に貼られた面会者シールが目に入ったようで
「ラスカル?」
と聞いていた。
色の配色はそっくりなので
「確かに似てるかもね。でも面会のシールだよ」
と教え、目の前に近づけて見せると
「ホントだ」
と頷いていた。
再びパパイラストを見せる。
「かわいーな、テメーはよ」
と言うので
「長い時間かけて描いたキャラをテメー呼ばわりか」
と言うと笑っていた。
「おしっこしたいな。どうしたらいいんだろ」
と言うのでナースコールを勧める。
看護師さんとトイレへ。
かなりスムーズに排尿できていた。
義父と一緒に退室する際には、笑顔で手を振って
「またねー」
と言っていた。
(近日公開予定)脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【18】へ続く



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