脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【13】

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まるすけ(@marusukepapa)です。

2025年2月18日(火)の夜、一緒にテレビを観ていた妻が突然目の前で意識を失いました。

すぐに救急車で搬送され緊急手術。

術後、医師から告げられた病名は
『脳梗塞』
でした。

「45才の若さで…?」
「ウソだろ…?」

『脳底動脈先端閉塞症(のうていどうみゃくせんたんへいそくしょう)』
という脳梗塞全体の中でも1%という稀な場所での発症との事。
ネットの情報も極端に少なく、内容も悲観的なものばかり…。
頭がおかしくなりそうな日々でした。

医師からは
「意識の回復は見込めないでしょう」
とまで言われましたが、奇跡的に今は後遺症を残しながらも在宅復帰して生活しています。

そんな、情報の少ない脳底動脈先端閉塞症。

「今後もし同じような状況になった方が、少しでも参考にしてくれたら…」

そんな想いから、数回にわたり私が書き留めておいた記録を元に妻の闘病記を公開していきたいと思います。

※文章は記録の文体のまま記していきます。

過去の投稿はこちら

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4/28(月)

仕事後に面会。

到着時は左向きで壁を向き、やや苦しそうな表情。

床頭台に右手ミトンの洗濯依頼あり。
「あらら、みいまた汚しちゃったのね」
と伝えると
「申し訳ないね」
と言う。
「大丈夫大丈夫、よく動いている証拠だから何回でも洗っちゃうよ」
と伝えると口角を上げて笑顔を見せる。

「いたたたた」
と言うので
「お腹?」
と聞くと
「ううん、ここ」
と右肩をポンポンと指し示し、さらに
「こっちもだね」
と左手も示し
「1,2,3,4,5」
と5本の指が痛いと伝えていた。
「体に力が入りすぎてるから、肩の力抜いてリラックスしてごらん」
と伝え、あお向けへ。
「どう?」
と確認すると
「あ、ラクになった」
と言う。

足のマッサージをし、すね毛が長くなっていたため
「みい、すね毛がパパと一緒なぐらい伸びてるぞ。過去30年で一番」
と伝えると
「やめてー、笑わせないで」
と言い笑顔を見せる。

外で雨が降り始め、雨が窓に当たる音がわずかに聞こえると
「あれ?何の音?」
と言うので
「雨の音だよ。すごいね、よく聞こえたね」
と伝える。

「みい、歌うの好きだったからカラオケやりたいでしょ」
と伝えると
「歌いたいねー、あゆとか」
と明るい声で話す。

「さっき話したすね毛、いつ剃ろうかね?」
と聞くと
「…アナ…アナ雪」
と言う。
「アナ雪!?」
と聞き返すと
「アナ雪が始まるまでに剃るか、あはははは」
と笑う。
「アナ雪はいつ始まるの?」
と聞くと
「何分に始まるか分からないんだけどさぁ」
と言っていた。

時間になりリップクリームを塗って退室。

4/29(火)

祝日出勤日だったため、仕事後に面会。

到着するとちょうど担当看護師による経管栄養摂取のタイミングだった。
排便は毎日あるが少し軟便気味なので薬の量を調整しているとの事。
併せて、今日は笑顔が多かったと報告を受ける。

看護師さん退室後
「どこか痛いとこある?」
と聞くと
「ないよ」
と答える。
「お腹の痛みなくなって良かったよ」
と伝えると笑顔を見せる。

記憶の確認。
「ところでみい、家族3人でよく行った旅行の場所ってどこだった?」
と聞くと
「箱根」
と答える。
以前(4/10)にもリハビリスタッフにそう答えていたので『旅行=箱根』という紐づけが出来ている様子。

「早く飲み込みの検査してもらいたいね、OK出たら鼻も手も自由になるもんね」
と伝えると
「じゃあ、足の毛が伸びてるのはこれ(ミトン)のせいか」
と左手を上げて話す。
「そうだね、それがあると足の毛とか剃れないもんね」
に頷く。

そのタイミングで担当の言語聴覚士さんが入室。
嚥下状態の検査日が決まったとの事。
日々のリハビリ状態を見ていると、言語聴覚士さんの見解では嚥下状態は問題ないとの見立て。
5/13(火)にレントゲン透視下で造影剤を含む食品の嚥下状態検査を行う。
最近のリハビリ状態について
「コップを自分で持って、トロミのついたお茶を飲む事ができている」
「歯磨きも左手で歯ブラシを持って行えている」
「今日は『顔を拭きたい』と本人から申し出があったので、タオルを渡すと自分で拭く事ができていた」
といった報告を受ける。
他のリハビリスタッフからも、最近のリハビリは結構高度な事をやっていると聞いていて、意識障害については入院時に比べ改善しており『JCSⅡ-20だったが最近はJCSⅠレベル』といった声が聞かれているとの事だった。

「みい、あと2週間の辛抱だぞ。検査でOK出たら鼻の管も両手のミトンもなくなるからね」
と伝えると
「わかったー」
と答えていた。

4/30(水)

仕事後に面会。

声かけに対して第一声
「じゃーねー」
と言う。
「まだ来たばっかりなのに寂しいじゃないの」
「だって、早く帰っちゃうでしょ?」
「大丈夫、まだまだ時間はあるよ」
「そっか」
といったやり取りをする。

その後
「○○ちゃん(息子)は?」
と聞くので
「今日は学校だよ」
と伝えると頷いていたが、すぐにまた
「○○ちゃんは?」
と言う。
「どこ行ったんだっけ?」
と聞くと
「あ、学校だった」
と笑顔で返していた。

名前と生年月日の確認を行う。
名前は答えられていたが、生年月日の質問には
「3月…」
と答える。
「それはパパだよ」
「あーそうだった」
「正解は12月5日」
「うーん、忘れちゃった」
「ドンマイドンマイ、ゆっくり思い出していくといいよ」
「そうだね」
といったやり取りをしながら笑顔で話す。

続いて
「今の時間は?」
と聞くと
「んー…8時!」
と答える。
「ブ、ブ、ブー!」
との声に大笑いする。
「パパが来る時間は5時だよ」
と伝えると
「パパ、5時。パパー時間ある?」
と聞く。
「あるよ、たっぷり」
とスマホ画面の時計を見せる。
「ほら、○○と○○ちゃん(甥っ子と姪っ子)だよ」
と言うと
「○○と○○ちゃん、かわいー」
と笑顔を見せる。

「2人は何だっけ?」
「うちのー、親戚」
「ピンポーン」
「じゃあウチの家族にエントリーしておきましょう」
「いいね。ところで、2人は誰の子だっけ?」
「○○ちゃん(弟の妻)」
「ピンポーン。2人はパパとみいの甥っ子と姪っ子だね。この前、○○ちゃん(友人の看護師Tの息子)の事も甥っ子って言ってたね」
「○○ちゃん今日会ったよ」
「そうなの?じゃあTに確認しとくね」
と連続での会話を行う。

その後、リップクリームを塗っていると突然
「お、誰だ?パパと肩組んでんのは。馴れ馴れしい」
と言う。
「ん?よく見てごらん、パパの右側かな?誰かなぁ?」
と聞くと
「あぁ、なんだ、単なる『ばぁばちゃん』だ」
と言い笑顔を見せる。
「ふぅ、知ってる人で良かったー、知らないオジさんだったらイヤだもん」
と言って大笑いする。
※若干、せん妄気味?

嚥下状態の検査日について、改めて伝える。
「みい、あと13日で飲み込みの検査で、それでOKが出たら、鼻の管も両手のミトンもポーンと取れるからね」
と伝えると、
「ポーン」
と繰り返し笑っていた。

帰り際、
「パパの頭を触ってごらん」
と伝えると左手を伸ばし壁の電気をさすっていた。
「コラコラー、それは部屋の明かりでしょ、パパはこっちだよ」
と伝えると
「あぁ、こっちだね」
と笑いながら頭を触る。

「まだみいは『これが何』っていうのが苦手だからゆっくり回復するといいよ」
と伝えると笑顔で頷いていた。

帰宅後、友人の看護師Tから今日面会に行ったとLINEあり。
息子の○○ちゃんは来ておらず、T単独での面会だったとの事。
前に見た時よりスムーズにベッドに移乗出来てた事や、会話で大笑いしたと報告があった。

5/1(木)

仕事後に面会。

目を閉じて眠っていた。
声をかけると目を閉じたまま口元を緩め笑顔を見せる。
「○○ちゃん(息子)は?」
「今日は学校休みだから家にいるよ」
「誰だ?誰が起こしたんだ?これは」
「みいを起こした犯人は誰でしょう?」
「分からん」
「目を開けてないからだよ」
目を開けると
「パパ?○○ちゃん(再び息子の名前)は?」
「家だよ」
「かわいー」
「みいを起こした犯人はパパでした」
で笑っていた。

「それはいいんだけどさー」
と言い、しばらく沈黙する。
「これ何だ?何かが見えている」
と言うので、教えて欲しいと伝える。

じっと一点を見つめ
「それはー…あぁ、パパと○○ちゃん(息子)か」
と言っていた。
※せん妄かと思われる

「昨日Tが来たの覚えてる?」
と聞くと
「んー?」
と言う。
「2人で大笑いした、ってTがLINEくれたよ。読んであげるね」
とスマホ画面を見せながらLINEを読み上げると声を出して大笑いしていた。

前日と同じように名前と生年月日の記憶確認を行う。
「自分の名前は?」
「目の前にいる人の名前は?」
「みいとパパの息子の名前は?」
スムーズに回答し正解。

続けて
「みいの誕生日は?」
「1月1日」
「それは○○ちゃん(息子)のでしょー。でもそれが分かったのはスゴイよ!」
といったやり取りをし、終始笑顔を見せていた。

腕の動きの確認。
「みい、右手でパパの頭を触ってごらん」
と伝えると、右手を上げようとするが少ししか上がらず。
すると左手を高く上げて頭の位置を探していた。
「もうちょっと右だよ」
と伝えるとそのように動かし、頭を触る事が出来ていた。
時間になり、帰る事を伝えると再び左手を持ち上げてこちらの頭をなでていた。
「明日も来るね、また明日ね」
と伝えると
「うん、明日ー」
と言い、左の手を振っていた。

5/2(金)

仕事後に面会。

豪雨の中到着すると第一声
「どんだけすごいのかと思って」
と言うので
「雨が?」
と聞くと
「そう」
と答える。
「台風みたいだよ」
の声に
「すごいね」
と言っていた。

左向きに寝たまま、壁に向かって
「○○ちゃん(息子)とー、パパはー、どーこーだっ」
と聞くので
「探してごらん」
と伝える。
「ここ(壁)に隠れてる」
と言うので、視界に入るようにして
「じゃあ、ここにいるのは?」
と聞くと
「パパー」
と笑っていた。

かなり遠くの方でナースコールが小さく鳴ると
「何この音、うるせーなー」
と言いながら笑っていた。
やはり聴力はかなり良い印象。

その後も多くのやり取りをする。
「みいとの会話、全部を記録してたら本が一冊できちゃうね」
と言うと
「んー、何冊もできちゃうね」
と話す。

「さて今日もこれから夜勤だからみいのエールをもらおうかな」
と伝えると
「フレーフレー、おパパー」
と言う。
「パパ、じゃなくて、おパパにした所が100点だね」
と伝えると得意げに頷いていた。

退室時、手を振りながら
「頑張るんだよー」
と言っていたので
「おー」
と答えて退室した。

5/3(土)

到着すると担当の言語聴覚士さんとリハビリ中。

挨拶を済ませ、一緒に2階の言語聴覚訓練室へ移動。

左手でコップを持ってお茶を飲む。
その後ゼリーを完食。
よく噛んで飲み込めていた。

室内では、投げられた黄色い風船を掴んで投げ返すといったリハビリを行う。
やはり右手が不自由な様子で半分ぐらいは床に落としてしまっていたが、頑張って両手を使って投げ返していた。
リハビリ終了後、共有スペースにて車椅子のまま面会。
右肩を触りながら
「肩いてててて」
と言うのでマッサージを行う。
「あーいいね」
と笑顔を見せていた。
「凝ってるね、カッチカチだね」
に続けて、お笑いコンビ『ザブングル』の
「カッチカチやぞ」
と伝えると、一緒に
「ゾックゾクするやろ」
と声に出し大笑いしていた。
長期記憶を思い出すスピードが速くなっている印象だった。

看護師さんがいらして白湯を滴下注入。
その最中に
「お腹痛いなぁ」
と言い、続けて
「あー出ちゃった」
と排便の報告。
看護師さんに伝え病室にてオムツ交換。

共有スペースに戻り会話を続ける。

机の上に両手を置きながらポンポン叩く素振りを見せ
「机の上にネコちゃんいるね、かわいいね」
と笑顔を見せる。
机の上にネコらしきものは何もなかったが
「かわいいネコで良かったね」
と伝えると
「うん」
と答えていた。

作業療法士さんがリハビリ開始の挨拶に来ると、そのタイミングで排尿したと訴え。
病室にてオムツ交換を行った後、ベッド上で腕の上げ下げ、握る力の確認を行う。
2階のリハビリ室へ移動。
机の上に色の異なる5個のコップを置き、左から順番に色を聞かれ1つずつ手に取り答えていた。
すべて正解。
次に、指定の色を伝えられ、その色のコップを取るように言われる。
ゆっくりだが1つずつ確認し、すべて正解していた。
最後に、洗濯ばさみをロープに挟む訓練を行ったが、こちらは成功ならず。
挟みやすいものに変更という事でロープをタオルに変えると3個挟む事ができていた。
病室に戻り
「また明日来るね」
と伝えると
「ほーい」
と手を振って見送っていた。

5/4(日)

息子と一緒に面会に行く。

リハビリ室へ行き、声をかけると作業療法士さんとリハビリ中。
指を1つずつ触りながら視界の確認をしていた。
「親指」から「小指」まで目で確認しながら言い当てていた。

続けて、16個のお手玉を机に置いて、一緒に握って色を確認。
最初は
「青」
「緑」
と正解していたが、次第に適当に返事しているのが分かる。

スタッフさんが片づけている時に、私と息子が
「ママ、適当に返事してたろ」
と聞くと
「バレたか、ヤベーな、だってつまんないんだもん」
と笑っていた。
ちゃんとやるよう伝える。

「そんな事より、○○ちゃん(息子)の回復を祈ってるよ」
と言うので、息子が
「ずっと元気だよ」
と伝えると
「そっか」
と頷いていた。

リハビリ終了後、共有スペースで面会。

息子が
「TUBEって分かる?」
と聞くと
「分かるよ」
と答えメンバー全員の名前をフルネームで言う事ができていた。

「眠い?」
と聞くと
「眠いね、あいつらー」
と言うので
「口が悪いね。訂正しよう。あいつらじゃなくて、リハビリの先生たち、でしょ」
と息子に言われ
「先生たちはー、早く飲み物を飲んでもらいたいもんです」
と言う。
※せん妄?

「リハビリ頑張ったら、元気になれるからね」
という息子の言葉に
「いいね~」
と言っていた。

帰り際に
「また来るね」
と伝えると
「また明日来よう」
と言いながら息子の頭をポンポンとなで、手を振って見送っていた。

(近日公開予定)脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【14】へ続く

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