まるすけ(@marusukepapa)です。
2025年2月18日(火)の夜、一緒にテレビを観ていた妻が突然目の前で意識を失いました。
すぐに救急車で搬送され緊急手術。
術後、医師から告げられた病名は
『脳梗塞』
でした。
「45才の若さで…?」
「ウソだろ…?」
『脳底動脈先端閉塞症(のうていどうみゃくせんたんへいそくしょう)』
という脳梗塞全体の中でも1%という稀な場所での発症との事。
ネットの情報も極端に少なく、内容も悲観的なものばかり…。
頭がおかしくなりそうな日々でした。
医師からは
「意識の回復は見込めないでしょう」
とまで言われましたが、奇跡的に今は後遺症を残しながらも在宅復帰して生活しています。
そんな、情報の少ない脳底動脈先端閉塞症。
「今後もし同じような状況になった方が、少しでも参考にしてくれたら…」
そんな想いから、数回にわたり私が書き留めておいた記録を元に妻の闘病記を公開していきたいと思います。
※文章は記録の文体のまま記していきます。
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4/21(月)
夕方にある会議までの合間時間に中抜けさせてもらい面会。
声をかけると
「家族。ありがとう」
と言う。
「今日もリハビリ頑張った?」
と聞くと頷いていた。
前日同様、腹痛の波は継続中。
巡回に来た看護師さんから
「さっきの巡回の時『今何時ですか?』って聞いてきたので4時前ですよ、ってお伝えしたら『そろそろパパ来るね』って言ってたんですよ」
と報告を受ける。
排泄について、便秘気味のため入院前はどうだったか質問あり。
便秘は今まで1度もなかったと伝える。
何回目かの腹痛の波で
「トイレ」
と言うので
「ここでオムツにしちゃって大丈夫だよ」
と伝えると
「しちゃおうか」
と発する。
力んでいたが排便はなかった。
出発時間になり
「ごめんね、会議行ってくるね」
と伝えると
「行ってらっしゃい」
と答える。
「みいの事、応援してるからね」
には
「うん」
と答えていた。
4/22 (火)
仕事後に面会。
「パパ来たよ」
と声をかけると口元を緩めて笑顔を見せる。
しばらくすると、その表情のまま
「悲しい」
と言う。
「お腹痛いから?」
と聞くと
「トイレさせてもらえないから」
と言う。
「今日はトイレの練習してないの?」
の質問に沈黙。
(トイレに行ったかどうか分からなかったと思われる)
「今のお腹の痛みが生理のだったらあと数日でラクになるかもね」
と言うと
「ホント?」
と明るい声で発していた。
看護師さんが白湯、流動食、便秘薬を持って入室。
今日昼間のリハビリで車椅子のままトイレに行っていたとの事。
栄養剤等をプッシュ式で注入。
その最中も腹痛の波が来るが排便には至らない。
看護師さんによると便秘薬は今回から始まったため、この後に排便が促されるかも、との事。
そんな会話をしていると
「○○さん」
と看護師さんの名前を呼ぶ。
「はーい」
と返事をされて笑顔を見せていた。
看護師さんが退室すると
「電気、ありがとうございました」
と言う。
「電気?何だそれは?」
と聞くと笑っていた。
17:30になったので
「明日も来るね」
と伝えると
「明日も…いててて」
と言い、便意を感じた模様。
「今日出るかも。今日とは限らないか…出るかもしれない。出るのは今日か明日か明後日か…」
と言っていた。
この日は友人の看護師Tも別の時間に面会に行ったとの事。
ウトウトしながらも、話しかければ返してくれて
「ありがと~」
「申し訳ない」
等の言葉を発していたと報告あり。
4/23 (水)
仕事後に面会。
到着すると看護師さんから話あり。
「朝4:00頃に鼻のチューブを抜いてしまい …入院して累計3回目となってしまったため、申し訳ないですがご本人の安全を最優先に、と病棟で話し合い本日から右手にもミトンを着用させていただいています。」
と報告を受ける。
安全最優先という理由に加え、身体拘束にあたる行為を家族に伝える心苦しさも充分理解できるため、了承。
病室に着くと右手にもミトンをつけて
「うぅうー、早くトイレ出たい」
と言いながら右手のミトンを取ろうとするため
「ガマンガマン!」
と伝える。
腹痛の波は変わらずにあるようで、波が来るたびに
「いたた、やだねー」
と言う。
波が落ち着いた時に、妻の中学時代の友達の名前を出して
「分かる?」
と聞くと
「友達」
と答える。
「いつの?」
と聞くと
「大学」
と答えたため
「2人とも大学には行ってないでしょ」
と伝えると頷いていた。
倒れた日の記憶確認を行う。
救急車に乗った事や、2月の頭にその中学時代の友達の家へ一緒に行った事は記憶にないらしい。
何度目かの腹痛の波が来た時
「たーくんといたいなー」
と言う。
「パパだってみいとずっと一緒にいたいよ、30分じゃ時間足りないよね」
と伝えると頷いていた。
腹痛の波が来ると
「うんちしたい!」
と、力みながら苦しそうに大きな声を出すので
「この部屋には他にも患者さんがいるから、できる範囲でいいから声は抑えてね」
と言うと驚いたような表情をして頷く。
(1人だけの部屋と思っていた?)
そして、少し大きな声で
「ごめんねー、ビックリさせちゃって」
と(周囲に?)発していた。
覚醒する時間が長くなってきていると看護師さんから言われたが、稀に意味不明な発言も未だに見られる。
17:30になり
「明日も来るね」
と伝えるとミトンを装着した左手を動かし、手を振るような素振りを見せる。
「おやすみ」
の声かけにも応じ
「おやすみ」
と発していた。
4/24 (木)
仕事後に面会。
到着すると穏やかな表情で眠っていた。
「寝てるのかー、珍しいね」
という声掛けで薄目を開けて目覚める。
落ち着いた表情から、
「排便があったのでは?」
と思い看護師さんに確認しようとすると、そのタイミングで看護師さんが入室。
「昨日、しっかりと排便がありました!」
と報告を受ける。
「面会始まったばかりなのでまた後ほど来ますね」
と一旦退室される。
「良かったね、みい」
の言葉に口元を緩め、家で飼っているネコの話をすると
「かわいー」
と笑顔を見せる。
「○○(私の弟)が面会に来たいって言ってるんだけど、ところで○○って誰だっけ?」
と聞くと
「おとなしい大人」
と答える。
「まぁ、正解。○○はパパの弟だよ」
と伝えると
「たーくんの弟」
と言う。
「そういえばみいはパパの呼び方を『たーくん』に変えたんだね?」
と伝えると
「変えたのかな?」
と言うので
「みいが変えたんでしょー」
と伝えると目尻に皺が寄るぐらいの笑顔を見せる。
会話の中で
「○○ちゃん(息子の名前)、話もうちょっとかもね」
と言うので
「どゆこと?」
と聞くと
「○○ちゃんが(自分の言っている話を)分かるようになるまで」
と答える。
「いや、もう滑舌いいからちゃんと伝わるよ」
と教えると
「ホント?じゃあ○○ちゃんに教えとこうかなー」
と笑顔で話す。
何を教えるかは不明。
再び記憶の確認。
「クリエイト分かる?」
「近くのドラッグストア」
「ドラッグストアって言葉が出たの凄いね!どんな場所?」
「元気になれるお店」
「確かにね。みいはそこで何してた?」
「おいしいもの買った」
「そこで働いていたの、覚えてる?」
「そうだった」
「誰がいたかな?」
「うーんとねぇ…」
「男の人で、自転車で来てて、長い間働いている人は?」
「○○さん」
「お!正解」
続けて、他のスタッフさんの名前をクイズで出そうとしたタイミングで看護師さんが経管チューブから白湯を注入するため入室。
看護師さんによると、昨日の排便で今日は疲れたのか眠っている事が多かったとの事。
そのため、予定では本日フロアの介護士さん同席でベッドから車椅子の移乗を引き継ぐ予定だったが実施できず、それで問題がなかったらすぐにでも車椅子での入浴が始められたので残念だったと報告を受ける。
それについてはまた来週実施予定との事。
「みいチャンスを逃したな、やっちまったね」
と伝えると
「そうなのか」
と答える。
両手ミトン装着と経鼻経管栄養のストレスを考え、先日話のあった嚥下能力の確認を可能な限り早く実施してほしい、と看護師さんに伝え退室した。
4/25 (金)
仕事後に面会。
到着して声をかけた際に、服に付けていた面会シールがめくれる。
その音を聞いて、
「誰のおならー?やーねー」
と言ったため
「パパの面会シールが外れた音だよ」
と伝えると声を出して笑う。
「今日か明日、○○ちゃん(息子)連れてくるよ。ゴメン、ネコは連れてこられないよ。ベッドの上で暴れちゃうから」
と伝えると声を出して笑っていた。
「眉毛剃りのシェーバー、預けたんだけど見当たらないねー」
と伝え、そこで
「♪探し物は何ですか」
と井上陽水の曲(『夢の中へ』)を口ずさむと、続きの部分を楽しそうに歌っていた。
自分で体位変換し、右向きになる。
「みい、前は左向きばっかりだったのに右向きに寝るようになったね」
と言うと
「○○ちゃん(息子)。○○ちゃん見たいからね」
と言う。
前日途中までしか行えなかったクリエイトのスタッフ名の再確認を行うと、数名の名前をかろうじて思い出していた。
続けて、高校時代からの共通の友達グループLINEのメンバーを確認。
こちらは短い時間で次々に答えていた。
「おお、全員正解だよ!」
で口角を上げていた。
前日、看護師さんに嚥下能力の確認を早めに依頼した事を伝え
「家に帰ったら何食べたい?」
と聞くと
「何でもいいけどね」
と答える。
「まず家に帰ったら、奥の方から『ニャー』って聞こえるけど平気?」
と聞くと笑顔になり
「あははー、かわいい!」
と笑っていた。
視力の確認。
眼鏡を装着して、少し離れた場所で指の本数を1,3,7と変えて確認すると正解していた。
が、眼鏡は外していたいようなので確認後すぐに外した。
「それにしても、みいのおでこ広いねぇ。『おでこひろこ』だね」
で大笑いする。
「ひろこ、と言えば昔みいの家で飼っていたウサギの名前は何だっけ?」
と聞くと、
「ピロ子!」
と答えて正解していた。
やはり長期記憶はしっかりしている印象。
「今日も夜勤だから、今日は『行ってらっしゃい』でお願い」
と伝えると、左手を伸ばしてこちらの頭をなでながら
「行ってらっしゃい」
と言っていた。
4/26 (土)
息子と一緒に面会に行く。
到着すると入浴中との事で待機。
車椅子に乗ったまま浴室から出てきたところで息子が
「来たよ」
と伝えると
「ごくろうさまー」
と言う。
看護師さんによると夜中2時頃にベッドのどこかに鼻をぶつけ鼻血を出してミトンが汚れてしまったとの事。
便の付着も見られ、自宅での洗濯を依頼されたため了承。
「病院のミトン、大きくてストレスですよね、ごめんなさいね」
と看護師さんに言われ
「全然構いませんよ」
と答えていた。
病院に預けていた顔そりシェーバーを一旦戻していただく。
「ヒゲ剃りする?男みたいだから」
と聞くと
「やめてやめて、ムカつくー、うるさいんだよ、あはははは」
と大笑いし
「あー、おもしろい」
と言っていた。
その後、顔そり実施。
眼鏡をかけて視力の確認。
息子が少し離れた場所で指2本出して
「ママ何本?」
と聞くと
「んー?2本か?」
と言い正解。
次は5本指を示すが
「らりるれろ」
と答え覚醒状態が不安定。
「おーい、○○ちゃん(息子の名前)どこだー?」
と言うので
「ほれ、ここだよ」
と息子が教えると
「よかったよかった」
と言い笑顔を見せる。
「さてはみい、眠いんだろ」
と聞くと
「うん」
と頷いていた。
「お風呂入って眠くなっちゃったんだろうけど、あと1個リハビリしたら終わりだから頑張りな」
と伝えると目を開ける。
理学療法士さんが入室しリハビリ開始。
その場で両手バンザイできるか確認すると左手は顔の上まで上がるが右手は肩より少し下程度だった。
1階リハビリ室へ移動し、リハビリガーデンへ移動。
物や花の色の質問に、正解率は半分程度であった。
外に出た時は
「気持ちいいー」
と言っていた。
リハビリ室内に戻り車椅子に座ったまま両上下肢の動きを確認。
やはり左側の動きは良く、右側は上下肢とも少し反応が鈍い印象だった。(動かない訳ではない)
午前中にも別の理学療法士さんのリハビリがあり、申し送りにて『歩行訓練の継続』があったとの事で平行棒へ移動。
理学療法士さん介助で1往復。
状態を見て、
・両足とも自分で出す事が出来ている
・踏ん張る力も申し分ないため手引きでも歩行が出来るかも
との事で、本人の後ろにスタッフさんが立ち、左手を平行棒、右手を私の手で繋いだ状態で歩行をしてみる。
すると、先ほどよりも速いペースで1往復する事ができていた。
「せっかくなので回数こなして体に覚えてもらいましょう」
という、理学療法士さんの提案に了承。
右手を繋ぐ相手を息子に変えて、速いペースで2往復をこなしていた。
ここまででリハビリ終了。
病室では眠そうな表情。
「よく頑張ったね」
の2人の声に
「またね」
と答えていた。
4/27(日)
義父、義母と一緒に面会。
リハビリの時間に合わせ到着するが不在。
トイレ内から
「○○さんは寒がり?」
といった声が聞こえ、しばらくすると作業療法士さんと出てくる。
「みいがいなくて皆で探したんだよ」
と伝えると
「すまんね、申し訳ない」
と左手を顔の前に出して謝るポーズをとっていた。
オムツ内に便の付着があったためのトイレだったとの事。
義父、義母も一緒にリハビリ室へ移動。
机の上に縦4×横6個の穴が開いた板を置き、穴に積み木を入れるリハビリを行う。
左斜め45度の左目視力は保たれている様子。
妻の右側に座って私の事が認識できるか聞くと分からない様子だったが
「首を右に曲げてごらん」
と言って顔を右側に向けると
「いた」
と認識できていた。
リハビリ中
「すいません、しちゃいました」
と排便の報告あり。
臭いを確認するとわずかに便臭あり。
作業療法士さんに伝えトイレへ向かう。
その移動中、担当の作業療法士さんより
「今回みたいに、リハビリ中に便意をもよおしたり排便があったりで、あまりリハビリができない事が多いんです。でもうまく排便まで持っていけてるのであとはリズムを掴んでいけたらいいなと思っています」
といった話あり。
トイレ内では、立ち上がりや便座に座る作業も以前より少ない介助で行えていた。
便座に座った途端に排尿、その後排便あり。
新たなオムツを装着した際、股部分にも便の付着があったのを見落としてしまい、新しいオムツにまた便が付着してしまう。
スタッフさんが再び新しいオムツを持ってくるまでの間、私に支えられながらもずっと立位を保つ事ができていた。
その後、オムツ交換し病室に戻る。
笑顔多く、声もよく出ていた。
帰り際、義母が
「みいちゃん、また来てもいい?」
と聞くと
「うん、また来てちょ」
と返していた。
「今喋ってたのは誰でしょう?」
と聞くと
「ばぁばちゃん」
と答えて正解していた。
義母が部屋を出ようとすると左手を上げて手を振る素振りをしていた。
(近日公開予定)脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【13】へ続く



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