まるすけ(@marusukepapa)です。
2025年2月18日(火)の夜、一緒にテレビを観ていた妻が突然目の前で意識を失いました。
すぐに救急車で搬送され緊急手術。
術後、医師から告げられた病名は
『脳梗塞』
でした。
「45才の若さで…?」
「ウソだろ…?」
『脳底動脈先端閉塞症(のうていどうみゃくせんたんへいそくしょう)』
という脳梗塞全体の中でも1%という稀な場所での発症との事。
ネットの情報も極端に少なく、内容も悲観的なものばかり…。
頭がおかしくなりそうな日々でした。
医師からは
「意識の回復は見込めないでしょう」
とまで言われましたが、奇跡的に今は後遺症を残しながらも在宅復帰して生活しています。
そんな、情報の少ない脳底動脈先端閉塞症。
「今後もし同じような状況になった方が、少しでも参考にしてくれたら…」
そんな想いから、数回にわたり私が書き留めておいた記録を元に妻の闘病記を公開していきたいと思います。
※文章は記録の文体のまま記していきます。
過去の投稿はこちら
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4/14(月)
仕事後に面会。
左向きに横になり眉間にしわを寄せていた。
声をかけ、あお向けにすると目を閉じたままだが表情が穏やかになる。
「昨日、(友人の看護師)Tと○○ちゃん(Tの息子)、みんなが来たの覚えてる?」
と聞くと
「うん」
と答える。
「すごいね、前は首を傾げてたのに今回はちゃんと覚えてるんだね」
に
「うん」
と言っていた。
こちらで瞼を開けて
「誰かな?」
と聞くと
「パパ」
の後に
「すいませーん、1日だけすいませーん」
と言って笑い、いきなり
「お?怖いね顔」
と言うので
「誰の?」
と聞くと
「おばけ」
と答える。
「気のせいだよ。そのおばけはどこにいたの?」
「上」
「今は?」
「いなくなった」
と言う。
「ほら、気のせいでしょ」
と伝えると口角を上げてうなずく。
(※会話中に『せん妄かも?』と思って対応した)
その後、自分で再び左向きになり足を動かしながら
「管(くだ)、取りたいな、外したいな。でも勝手に取ったら怒られちゃうよねー」
と言う。
「みいは、飲み込む力は問題ないみたいだから今度ゼリー食べる時アピールしな」
と伝えると
「そうだねー」
と言いながら足を動かしていた。
「どっか痛い場所、苦しい場所ある?」
と何度聞いても
「大丈夫大丈夫」
と答える。
気分転換にTUBEを耳元で流すが反応はいまいち。
17:30
帰ろうとした際に苦しそうな表情をしたため
「看護師さん呼ぶ?」
と聞くと
「呼ぶ。申し訳ないね」
と言う。
「ここの病院なら、申し訳ないなんて思う事ないよ、みんな親切でしょ」
と伝えると小刻みにうなずいていた。
看護師さんが病室に到着したため
「お願いします」
と伝え退室した。
4/15(火)
息子の三者面談のため仕事を早退して学校に行く。
担任の先生に妻が脳梗塞になって入院中である事を伝える。
16:20
三者面談終了後に息子と一緒に面会。
声をかけると
「おかえりー」
と言う。
「ママ、来たよ」
と息子が言うと
「おかえりー」
と返事。
「ただいま」
と伝えると、息子に向かって
「寒い時はあったかい服着な」
と言っていた。
足を確認すると乾燥していたので
「足カサカサだね」
と妻に伝えると
「どうする、パパ」
と言うので
「保湿でボディーミルク塗ってあげる」
と伝えて塗布。
右足を塗り終えると自分から左足を浮かせていた。
こちらで瞼を開けて
「目の前にいるのは誰?」
「パパ」
「その隣にいるのは?」
「○○ちゃん(息子の名前)」
といったやり取りをする。
16:00からの言語聴覚士さんのリハビリに「✕」がついていたので病室に来た看護師さんに確認。
昼間に鼻の管を抜いてしまったため、その後の経管栄養のタイミングがズレてリハビリが中止となったと説明を受ける。
その事を本人に伝えると
「マジか、申し訳ない」
と言いながら両手を顔の前で合わせようとする素振りをしていた。
息子の指を右手に触れさせて、息子が
「ママぎゅーしてごらん」
と伝えるとわずかに握り
「んー?ペトペトしてるな」
と言う。
息子の指から私の指に変えて
「どっちだ?」
と聞くと
「たーくん」
と答える。
(※妻が私の事を『たーくん』と呼ぶのはおそらく数年ぶり)
続けて
「リハビリまだある?たーくん」
と言うので
「もうないよ、今日は」
と伝えると笑顔を見せる。
帰り際に、再度記憶の確認を行う。
「今日来たのはパパと○○ちゃん。では、家にいるネコは?」
と聞くと即座に答える事ができていた。
「おお!ついに思い出したか」
と伝えると笑顔を見せていた。
(※4/8(火)にはネコの名前を思い出せなかった)
退室時
「おやすみ、ママ」
の2人の声に
「おやすみー」
を繰り返していた。
4/16(水)
仕事のため面会できず。
2/18に倒れてから1日も欠かさず面会に行っていたが、この日初めて面会なしとなる。
悔しいが仕方ない。
明日からまた出来る限り面会に行こうと思った。
4/17(木)
仕事後に面会。
左向きで壁を向いている。
声をかけると
「横向いちゃうねぇ」
と言う。
こちらであお向けにして記憶の確認。
「家にいる茶色で生意気なネコは?」
と聞くと、その途中(茶色で生意気、の所)で笑って名前を答える。
「この前、(友人の看護師)Tと(その息子の)○○ちゃん来たの覚えてる?」
に
「覚えてる」
と答える。
(※この日、数時間前にTが面会に来ていたと後から知る。)
このタイミングで
「いたたた、お腹痛い。…今うんち4回目かな?」
と言う。
ナースコールするか確認すると、しばらく悩んで
「呼ぶ」
と言ったためナースコール。
看護師さんが確認するとわずかに便の付着あり。
「すぐそこまで来てるので今日中に出ると思いますよー。頑張ってー!」
と言われていた。
看護師さんによると、ここのところコンスタントに排便ができているため、摘便しないでなるべく自力での排出を促しているとの事。
いつもしっかり見てくれている事や、ここまで回復したのはこの病院のおかげであると感謝を伝える。
すると
「ご家族、ご主人様のお力です。今後も心配な時にはいつでもナースコール呼んでくださいね」
と笑顔で話されていた。
耳垢が気になったので
「見える所だけでも耳そうじしたいねぇ」
と伝えると
「おし、じゃあ明日持ってくるか」
と言う。
「口元のヒゲも剃る?男みたいだよ」
と聞くと満面の笑顔になり
「剃る。明日持ってくるか」
と話していた。
面会終了時刻が近づいたため、別の質問をする。
「(パパの職場である事業所の名前)って分かる?」
と聞くと
「パパの…」
と言いかけたところで再び
「いたた」
と腹痛あり。
17:30
力むが排便なし。
面会終了の時刻だったため巡回の看護師さんに状況を伝え
「お願いします」
と依頼して退室した。
4/18 (金)
仕事後に面会。
前日と同じ姿勢で目を開けて壁を見ていた。
声をかけると
「うーん、この向きになっちゃうなぁ」
と言う。
「顔見せて」
と伝えると、自分で体勢を変えて上を向く。
そのタイミングで看護師さんが入室。
「栄養剤を滴下注入していると日中寝返りなど動きが多い時にチューブが絡まってしまう事があるので、今回はプッシュ式で一気に注入してみる事になりました」
と説明あり。
これで下痢などの症状が出てしまったら他の方法も検討するとの事。
早速プッシュ式で栄養剤の注入を行う。
注入の最中は表情変えずに無事完了する事ができていた。
看護師さんが退室した後
「いたたた」
と言うが、しばらくすると落ち着く。
前日話した耳そうじを提案すると了承。
耳そうじ中
「次もいっぱい取って」
と言う。
「口元(のヒゲ)はどうする?」
と聞くと
「いいや。(パパ)いない時に剃るよ」
と言う。
「どうやって1人で剃るのよ?」
と言うと
「ふふふ」
と笑う。
「今日はパパまた夜勤だから応援しててね」
と伝えると
「夜勤?なんで?」
と言う。
夜勤で働く理由を伝えると
「そっかー」
と言う。
しばらくすると再び
「いたたた…どうしたら看護師さんに分かってもらえるかなぁ」
と言う。
巡回に来た看護師さんに伝えると
「定期的に検温、巡回には来ていますが、辛くなった時に押せるようにナースコールを枕元まで伸ばしますね」
と言われ、顔の近くまでコードを伸ばして置いてもらう。
ナースコールを右手で握った事を確認し、
「じゃあ何かあったら看護師さん呼ぶんだよ」
と伝え退室した。
4/19 (土)
2階のリハビリ室で作業療法士さんと右手のマッサージ中。
「来たよ」
と伝えると
「曲を聴いてるんだ」
と言う。
室内に『ドレミの歌』が流れていたので
「歌、どうぞ」
とマイクを向けるジェスチャーをすると曲に合わせて歌い、音程も合っていた。
次のリハビリに移行しようとすると
「トイレ(大)したい」
と言い、作業療法士さんと一緒に2階のトイレへ。
便座に座り、ウォシュレットの刺激も併用しながら排便に挑戦したが微量の排出のみであった。
「でもこうやって座ってする練習は大事だよ」
と伝えると汗をかきながら
「うん」
と答えていた。
リハビリ後、車椅子のまま共有スペースで面会。
「この場所で座って面会するのは 初めてだね」
と伝えると
「初めてだねー、初めてだねー」
と繰り返していた。
便意の波があるようで、定期的に腹痛を訴えるが排便には至らない。
腹痛の波が来る度に
「いててて」
「いてー」
と言う。
口で意思表示するのは大事と伝える。
落ち着いた時に記憶の確認。
私の弟や妹、妻の兄夫婦の名前を思い出して答える事ができていた。
汗をかいていたのでクリアケースで仰ぐと
「気持ちいい。すごく気持ちいい。」
と笑顔を見せる。
妻の担当の看護師さんが挨拶に来て、そのまま病室に移動。
体の清拭、着替えを行う。
「いい顔だね」
と伝えると笑顔を見せる。
「また明日ね。お休み」
と伝えると
「また明日。お休みー」
と返していた。
4/20 (日)
面会に行くと、共有スペースの洗面台にてリハビリ中。
到着して声掛けするとやや覚醒し、担当の言語聴覚士さんから
「ご主人が来て目が覚めましたね」
と言われる。
「みい、さては適当にやってたな?」
と言うと、少し笑いながら
「うん、やっつけでいいやって」
と言う。
「こら!ちゃんとやらないとダメでしょ」
と言うと
「ははは」
と声を出して笑っていた。
ゼリーの咀嚼、飲み込み状態を確認。
完食し、嚥下もスムーズであった。
前日同様、腹痛の波があり
「木曜日早く来い」
と言う。
理由確認に
「トイレに連れてってくれるでしょ」
と答える。
「そうなの?」
と聞くと頷いていた。
言語聴覚士さんに確認するも、そういった事実はないとの事。
リハビリ終了後は車椅子のまま共有スペースで面会。
「さっきゼリー食べてたよね、味は?」
と聞くと
「オレンジみたいなやつ」
と答える。
ぶどう味であった事を伝えると
「ふーん」
と発していた。
記憶の確認。
前日と変わらず弟や妹、兄夫婦の名前は思い出す事ができていた。
「パパの弟の奥さんは?」
に
「えーと、うーんと…○○ちゃん!」
と思い出す事ができていた。
腹痛の波が来て
「うんち出ましたー」
と言うので臀部の臭いを確認。
「いや、出てないよ。パパの、このフニャフニャの鼻が間違える訳ないもん」
と鼻を見せると大笑いする。
「お尻見てみようか?」
と伝えると
「恥ずかしいな」
と言う。
「そうだね、ここじゃ恥ずかしいよね。そういう感情が出てきたのいいね。部屋に戻る?」
と聞くと了承。
病室に戻ってオムツ内を確認すると、経血の付着はあるが排便はなかった。
「ところで、口周りのヒゲはどうする?だいぶ伸びてきたから、このままじゃマリオとルイージみたいになっちゃうよ」
と言うと
「マリオとルイージ…やめてやめてー」
と笑っていた。
持参した電動シェーバーで口周りのみカットを行う。
「明日は管理者会議で面会来れないんだ」
と伝えると
「じゃあ終わったら来るか」
と言うので
「明後日からまた毎日来るよ、ごめんね」
と伝える。
「いいよー」
との事。
会話中、何度か腹痛の波があり、その都度
「いたたたた」
と険しい表情を見せる。
「今、体が元に戻ろうと頑張ってる最中だから辛いだろうけどなんとか頑張ろうね」
と伝えると眉間にしわを寄せた険しい表情で額に汗をかきながら頷いていた。
波が収まったタイミングで
「みい、また来るからね。おやすみ」
と伝えると
「おやすみ」
と声に出して発していた。
帰りに妻の実家へ寄る。
病院が遠くなった事でなかなか面会に行けなくなったので、転院してからの毎日の記録を印刷したものを持って行った。
これからも週末に1週間分の記録を持って来ると伝える。
(近日公開予定)脳梗塞で倒れ「意識の回復は見込めない」と医師から言われた45才の妻が家に戻るまでの闘病記【12】へ続く



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